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「名護のために」「何が何でも勝ちたかった」…大サプライズ起こした名護、那覇西をPK戦で下して全国初出場!!:沖縄

ゲキサカ / 2023年11月16日 11時25分

 戦い方を共有し、十分な覚悟を持って決戦に挑んだ選手たちは、堅守速攻型の5-2-3のシステムを敷き、序盤から繰り出す那覇西の波状攻撃に我慢の時間が続いた。ただ、この試合を前に地元大学の名桜大と実践練習を積んで準備をしてきた名護は、相手の攻撃を冷静に対処。自陣で相手を囲い込む、球際に激しく向かっていく姿勢を貫いた。それでも雨で水分を含んだピッチは那覇西の球足の早いパスワークを生みだし翻弄される場面も。それでも、腕章を巻くGK松瀬真之介がシュートストップを見せ、そのたびに轟く松瀬の声は確実に選手を後押した。

 そして、何よりも警戒したのがDFラインとGKとの間だった。中盤まで下がるFW頭山亮太のくさびのプレーでポケットへの進入を狙う那覇西の攻撃。それを抑えるため、名護は途中からシステムを5-3-2にし、中盤を厚くすることで頭山に対しマークをつけて起点潰しを徹底した。その術中がはまり、もどかしい状況の那覇西の攻撃を裏返し、比嘉秀彩が起点となる一貫としたカウンターで少ないチャンスをモノにしようとする名護という画が次第に見られるようになる。ただそこは那覇西もチャレンジアンドカバーでしっかりと対応し、簡単には自由を与えなかった。

 後半も終盤に差し掛かるころ、「もしも晴れていて、暑くなっていたら体力は持たなかったと思う」(比嘉監督)というスタミナ面も、雨天の環境でパフォーマンスは大きく崩れることなく、絶えず球際へ激しく向かう名護の守備は勢いを増す。それでも攻め切る姿勢の那覇西はCKなど再三セットプレーを得て高さ勝負に挑む。しかし、ハイボールに対しても強さを見せたGK松瀬が牙城を崩さなかった。

 80分で決着つかず、さらに延長戦もスコアレスで終わり、疲弊した選手たちが挑んだ決着のPK戦。5人目まで3対3でサドンデスに突入し6人目、先行の那覇西がネットを揺らせず。そして「足はもう棒になっていた」と、ロングキックを蹴り続けたGK松瀬が気迫十分にゴールネットを突き刺し、ついに両者の鍔迫り合いは解かれた。

「名護のために勝ちたかった」と、終始体を張った守備を見せたCB桃原泰空は答える。それは「名護高ではなく名護市」という意だという。名護の地でサッカーを続けてきた誇りを胸に育ててくれた人たちの前で、そして次代を担う地元の子供たちの前で勝利を届けたいという思いを募らせた彼らは、何度も跳ね返された難敵の壁を前に打ち克つ姿をしっかりと見せた。秘めたポテンシャルを発揮させた「名護のために」というその思いは、ついに全国の舞台で披露される。

(取材・文 仲本兼進)●第102回全国高校サッカー選手権特集

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