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[MOM919]鹿屋体育大FW加藤大晟(3年)_フィジカル無双のレフティが躍動!“再コンバート”の元CBストライカーが好アシスト!

ゲキサカ / 2023年12月8日 7時40分

「冷静に中を見れましたし、クロスも結構自分でもびっくりするぐらい綺麗なボールが上がったので(笑)、良かったと思います」。攻勢を強めながらもスコアを動かせない状況で、加藤の完璧なアシストが先制弾を呼び込むと、これがそのまま決勝ゴールに。「後半は押し込まれる形が多くて、苦しい時間が続いたんですけど、粘り強く守れたので1-0で勝てたのかなと思います」と胸を張ったレフティが、得意の左足でチームの初戦突破にきっちり貢献してみせた。

 フォワードでのプレーは“再コンバート”の末に、だという。「大学に入ってからセンターバックをやっていたんですけど、2年生になる前のオフシーズンに、フォワードの先輩がケガしてしまって、フォワードの枚数が足りなくなったことがあって、自分が『ちょっと試しにやってみないか?』みたいな感じで言われたんです。もともとは中学までフォワードをやっていて、高校でセンターバックになったんですけど、その時にフォワードをやってみたら結構良くて、そこからずっとフォワードです」。

 この日の対戦相手の常葉大は静岡のチーム。加藤が高校時代に所属していた浜松開誠館高の“元チームメイト”も、メンバーリストに名を連ねていた。「常葉大とは開誠館の時によく練習試合もしていましたし、今日も相手には開誠館の先輩も後輩もいたので、『絶対負けたくないな』と思って挑みました」。

 当時はセンターバックだったこともあって、フォワード起用には高校の“元チームメイト”も驚いていたに違いないが、「でも、『身体能力を使ったプレーは変わらないな』と思われているんじゃないですかね。その中でフォワードとしての良さは見せられたかなと思います」ときっぱり。任されているポジションこそ違えども、成長した姿をかつての仲間に堂々と披露してみせた。


 静岡から鹿児島へと進学したのには、大きく3つの理由があるという。「高校の先輩の吉田真那斗選手(横浜FM内定)が行っているというのもありましたし、鹿児島にはプロのチームがいっぱいキャンプに来るので、そういうところで対戦する機会も多いだろうなと。あとは鹿児島は田舎なので、関東とか関西に行くよりもサッカーに打ち込めそうなところも考えて、鹿屋にしました」。

 2つ目の理由でもある、キャンプに来たプロのレベルを体感できるという意味では、あるストライカーが印象に残っているそうだ。「レイソルとやった時に、細谷真大選手は収め方とか体の当て方が本当にうまいなと感じて、『お手本にしたいな』と思いました」。最近ではA代表にも招集されつつある俊英を基準に置きつつ、さらなる成長への意欲も携えている。

 まずは初戦を突破した今回のインカレでも、目指すべき地点は明確だ。「4年生にはお世話になっているので、一緒に勝ち進みたいというのはもちろんですけど、自分個人としても得点やアシストで目に見える結果を出して、そこからプロに良い形で行けるように頑張りたいと思います」。

 183センチ、81キロという立派な体躯に、備えた左足の威力を踏まえると想起するのはクリスティアン・ビエリか、アーリング・ハーランドか。「まだ自分でもフォワードらしくはないと思っていて(笑)、点を獲るというよりは基点になる感じなので、点を獲れるようなストライカーっぽくなりたいなと思います」。逸材の予感十分。フォワードへの“再チャレンジ”を続ける鹿屋体育大の16番。加藤がこの大会の有力なブレイク候補に、勇ましく名乗りを上げた。



(取材・文 土屋雅史)

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