「中学時代はバチバチだった」地元選手で成し遂げた全国初勝利&静学撃破…最後は青森山田に0-7完敗も広島国際学院DF茂田颯平主将「自分たちらしく負けたなと」
ゲキサカ / 2024年1月3日 16時5分
[1.2 選手権3回戦 青森山田 7-0 広島国際学院 浦和駒場]
初出場にして国立競技場での開幕戦を制し、2回戦では名門・静岡学園高にジャイアントキリングを演じたが、ベスト16で青森山田高に完敗——。短くも濃い冬を終えた広島国際学院高の選手たちは試合後、思い出を刻み込むようにロッカールームで最後のミーティングを終え、全員が揃って取材エリアに姿を見せた。
それぞれの目には涙の跡が見られたが、一様に明るい笑顔で盛り上がりながら帰路へ。主将のDF茂田颯平(3年=KELT東広島FCジュニアユース)は「たぶんこの全国に出た中でも一番チームの仲がいい。このチームの仲の良さがあったから、楽しいことも苦しいことも全部乗り越えてこられたんだと思う」とチームの一体感を誇らしそうに語った。
選手たちの前所属にはKELT東広島FCジュニアユース、広島ピジョンFC、ブリロ東広島FCジュニアユースといった地元の街クラブが多く並び、大半の選手が以前からの知り合い。中学時代は互いにライバル関係にあったが、同じ高校に集った仲間として団結力を高め、濃密な3年間を戦ってきた。
「中学の時は結構バチバチで、まさかチームメートになるとは思わなくて、でもそれから仲良くなれてよかったです(笑)」。そう振り返る茂田主将は当初、全国常連高への進学を目指していたが、人工芝ピッチなどで施設整備が進む同高からの誘いで入学を決断。KELT東広島FCのチームメートだけでなく、他の中学から集まってきた見知った選手たちを見て、「このメンツなら行けるだろう」という予感があったという。
現在の3年生は1年時からルーキーリーグで好成績を残してきた期待の世代で、今季は夏のインターハイでも全国大会に初出場。初戦で帝京五高に敗れ、初白星こそならなかったが歴史を作った。それ以降、冬の全国初出場は単なる悲願ではなく、成し遂げるべきミッションとなり、その先の“全国1勝”という目標も現実的に見えてきた。
そうしてたどり着いた今大会には、“ダークホース”という自覚を持ってやってきた。国立競技場での開幕戦では地元東京の早稲田実高を2-0で撃破。試合後、谷崎元樹監督は「彼らはヒールという役割が好きなので、『ギャフンと言わせてやろう』と送り出しました」と振り返っていたが、粘り強い堅守やロングスロー戦術もそうしたキャラクター設定に一役買っていた。
さらに2回戦の静岡学園戦ではより一層、そうした構図が鮮明となった。高い技術に裏打ちされたパスワークで攻めるテクニカル集団に対し、5-4-1をベースとした徹底的な守備ブロックで応戦。スピードを活かしたカウンターから先制点を奪い、1-1からのPK戦で突破を果たした。
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