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[船橋招待]「志願の副審」「1人でのボトル回収」「ボールパーソンへの声掛け」に滲む圧倒的な人間性。熊本U-18GK宮本哲宏はピッチ内外でチームを真摯に牽引する

ゲキサカ / 2024年3月31日 20時31分

 最近になって今まで以上に意識しているのは、“声の質”だという。「自分はシュートストップに自信があるんですけど、レベルの高い大学とやらせてもらった中で、自分1人では守り切れないような感覚も味わったので、味方を動かす声の質も、最近は『できるだけ短く、わかりやすく』を意識しています。結構頭は使いますね(笑)」。この一戦の結果は1-0で勝利。試合後の選手たちの笑顔には、手応えと充実感が滲んでいた。


 この日の2試合目。矢板中央高(栃木)と激突した一戦のピッチサイドには、フラッグを持ってライン際を走る宮本の姿があった。「キーパーは今回も基本的に2人いますし、フィールドの選手は途中で出る可能性があったり、疲労も溜まっていると思うので、キーパーの役割という感じで、他に誰もいなければ普段も自分からやっています」。両チームの選手から1人ずつ担当する副審を、自ら買って出ていたのだ。

真剣な表情で副審を務める

「副審をやることで、ベンチから見るよりは試合の状況がわかりますし、試合の流れも後ろから見るのとはまた違う感じで見られるので、勉強になるなと思います」。他の選手と代わることなく1試合を務め上げた“副審”は、1-5という思わぬ大敗を喫し、うつむき加減で引き上げてくる選手たちと1人だけ違う方向に走っていく。

「みんなこういう試合内容で気持ちも落ちていると思いますし、疲れも溜まっていると思ったので、『自分で回収しようかな』って」。帰ってきたその手に抱えられていたのは、複数の給水用ボトル。チームを率いる岡本賢明監督は、普段の宮本の“習慣”を笑いながら教えてくれた。

「テツ(宮本)はいつも試合会場から帰るのも一番遅いんです。ゴミが落ちていないか、忘れ物がないか、必ずチェックしていますから。周りのことをよく考えられる子なんですよ。GKコーチには『もっと自分のことを考えていいんだぞ』と言われたりしていますね(笑)」

 そのことについて本人へ水を向けると、少し照れ笑いを浮かべながら、こう言葉を紡ぐ。「忘れ物やゴミを置いていくことはチームとしての隙になると思うので、そういう隙は作りたくないですし、ロアッソがピッチでやる良いサッカーを見てもらうのはもちろんですけど、ピッチ外の部分でも『ロアッソっていいな』と思ってもらえたら、チームとしても自分としても嬉しいので、そこは意識しています。普段からいろいろなことが目に付くタイプですね。たぶん昔からそうだと思います」。

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