エモーショナルでスペクタクルな90分間は3-3のドロー!FC東京U-18とやり合った柏U-18が携えるのは指揮官も認める自主性と超攻撃的な意志
ゲキサカ / 2024年4月23日 13時26分
「エモーショナルな試合でした。『よく追い付いた』とも言いたいですし、『2-1の時に3点目が獲れなかった』という言い方もできますし、その両方ですね」(FC東京U-18・佐藤由紀彦監督)「失点が少なくて点も獲れないよりは、失点も多いけど点は獲れている方がいいですし、やり合うのは好きなので、むしろ『何で4点目を獲れなかったんだ』というところに目を向けたいです」(藤田監督)。スペクタクルな意地の張り合いは、引き分けという形で決着を見ることになった。
「1試合1失点は覚悟するサッカーをしているので、そこは置いておいて、3失点目がいらなかったですね。『冷静じゃなかったな』というところです。勝てば同率首位というところで、そんなに甘くないというか、今の力はこれぐらいなんだなと、いろいろと考えさせられる失点でした」。試合後に柏U-18を率いる藤田監督はそんな言葉を残しながらも、自身の経験から来る面白い見解を教えてくれた。
「変な話ですけど、3-1よりは3-3の方が飲み込めます。3点獲れたけど、3点獲られたということは、こっちも考えなくてはいけない部分がありますし、たとえば僕は高校選手権を経験している中で、1回戦で5点獲れるチームだとして、5-0で終わるチームは優勝できるんですけど、5-1で終わるチームは優勝できないんですよ。だから、3失点まで行くとウチの実力かなと飲み込めますね(笑)」。つまりは本当の意味でディテールを突き詰められるか否か。国見高、明治大と勝利を義務付けられるキャリアを歩んできた指揮官のサッカー哲学が垣間見えた。
もともと藤田監督はそれほどテクニカルエリアに出てくるタイプではない印象だが、今季は昨季以上にその回数が減っているようにも見える。「去年の3年生もそうでしたけど、今年もそこまで要求はしていないですね。前線の4枚(ワッド、戸田、吉原、市村健)とか福島や栗栖とか、そのあたりの去年から出ている選手たちが、自分が何かを言おうとしたタイミングで、その言おうとしていたことを言ってくれたりするので、それはもう逞しいなと思います」。そう話した指揮官は、続けてベンチでの一幕も笑いながら明かしてくれる。
「ベンチでスタッフと話していて、『こういうことを言おうか』と言っていたタイミングで、誰か選手がそれを言ってくれると、我々スタッフも『なんか、こういうことだよね。育成ってこういうことじゃん。座っとこ』って(笑)。そういうことが嬉しいんですよ」。
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