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求められるのは「相手の土俵になっても戦わないといけない」逞しさ。大宮U18は尚志相手に粘り強く完封勝利を収めて今季2勝目!

ゲキサカ / 2024年5月13日 19時36分


 大宮U18の2024年シーズンは、衝撃的な完敗から始まった。アウェイで川崎フロンターレU-18(神奈川)と戦ったプレミアの開幕戦は、先制こそしたものの、そこから4失点を食らって大敗。試合後に「ある程度劣勢になることは想定内でしたけど、攻撃の形が全然作れないと。やりたいことがまったくできなかったです」と話した丹野監督の厳しい表情が印象に強く残っている。

 前節までの5試合を終えた段階での成績は1勝4敗。指揮官はこのタイミングで、改めて自分たちの現在地を選手たちと共有したという。「5節が終わった段階で、シュート数も全部相手が上回っていて、いつもシュートが少ないと。でも、勝ったゲームもあれば、負けたゲームもあると。ただ、自分たちがゲームに勝つためには、より求めていかないといけないものがあるよねとは言っていたので、そういう意識は少しずつ出ていると思います。たぶん3節ぐらいやった時点でそれを言われても、選手もしっくり来ないだろうなと。少し待ちましたね」。

 やりたいスタイルはある。でも、それを貫くことだけがサッカーではない。チャンスが少なくても、それを確実に得点に結び付ければいい。ピンチが多くても、それを確実に失点へと結び付かせなければいい。

「もちろん自分たちのスタイルとしてはボールを大事にしたいし、攻守において主導権を握りたいというのがあるので、ボールを保持するところのこだわりは大事にしています。それに加えてボール非保持の時は、積極的にボールを奪いに行きたい。でも、ボールを奪えなくて、どうしても押し込まれちゃう時もあるよねって。その時はしっかりゴールを守ろうぜと。結局は『アカデミーの選手であれば何でもできなきゃダメなんだ』って思うんです。だから、本当に技術だけにフォーカスしていてもダメで、いろいろなことができないといけないですし、相手の土俵になっても戦わないといけないんです」(丹野監督)。

 この日のシュート数も大宮の4本に対して、尚志は11本。決して『自分たちの土俵』で戦えたわけではなかったが、後半はたった1回のチャンスでゴールをもぎ取り、相手の猛攻にもゴールを割らせることなく、2-0というスコアで勝ち切っている。

「一番求めることは勝って成長することだとは思うんですけど、『勝っても負けても成長は絶対に止めないようにしよう』ということは選手とも共有していますし、開幕からも凄く苦しかったんですけど、その中でも1つずつ1つずつ、ちょっとずつちょっとずつ積み上げてきたものが今日はこういう形で出たと思うので、このゲームをベースとしながら、これ以上のものをどんどん積み上げていきたいなと思います」(丹野監督)。

 全員で掴んだ今シーズンの2勝目。試合後の選手たちは一様に明るい表情で、勝利の喜びを噛み締めていた。「ちょっとずつですけど成長はしてきていると思います。でも、監督も言っているんですけど、その成長のスピードを上げていくという部分は求められると思うので、ここから勢いに乗って、また来週の練習からしっかりやっていきたいなと思っています」。山中はきっぱりとこう言い切った。

 1つずつ1つずつ、ちょっとずつちょっとずつ、そう簡単には崩れないベースを積み上げていく。シンプルだけど、それ以外に成長するための術はない。このクラブの未来は自分たちが担っていってやる。今シーズンを戦い抜くための輪郭が大宮U18の選手たちには、おぼろげながらも見え始めているはずだ。



(取材・文 土屋雅史)
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