2026年「J1主審全員プロ化」案も浮上! 強化育成改革進めるJFA審判委の危機感「仕組みを作らないと日本からW杯審判員が出てこない」
ゲキサカ / 2024年5月23日 20時10分
日本サッカー協会(JFA)の扇谷健司審判委員長が23日、東京都内のJFAハウスでメディアブリーフィングを開き、今後2年間に向けた審判員の育成・強化プランを発表した。Jリーグでは2026年夏からシーズン制移行が予定されている中、J1リーグ担当主審全員のプロ化を目指していく方針だという。
扇谷委員長はブリーフィングで「日本のサッカーがこれだけハイインテンシティになっている中、プロフェッショナルレフェリーを増やす必要がある」と指摘。現状では主審14人、副審5人とプロ契約をかわしているが、シーズン制移行が行われる26年夏をめどに「ここを拡大していくことで、サッカーに集中していける審判員を増やしたい。そうしたことで質が上がってくる」と力説した。
改革を進めようとしている背景には、世界やアジアにおける日本人審判員の立ち位置が変わりつつあるという危機感がある。
日本人審判員は1998年のフランスW杯で岡田正義氏が主審を務めて以降、7大会連続でW杯に出場。2006年のドイツW杯では上川徹氏が3位決定戦、14年のブラジルW杯では西村雄一氏が開幕戦の大役を担った。ところが直近2大会では18年のロシアW杯に佐藤隆治氏、22年のカタールW杯に山下良美氏が派遣されたものの、試合の割り当てを得られなかった。
扇谷委員長はW杯における日本人主審の歩みについて「ここまで続けてW杯に出場している国はアジアに他にない」と前向きに捉えつつも、「W杯で(選ばれるだけでなく、)主審を担当するというところを目指さないといけない」と強調。エリート審判員の育成も通じて「そこ(W杯)につながるように国内リーグでの判定精度をもっと高めていかなければならない」と力を込めた。
扇谷委員長によると、今後2年間でプロフェッショナルレフェリーの大幅増員を目指すほか、海外との交流機会の創出や、審判員評価のためのデータ活用も積極的に進めていく構えだ。今季は審判交流プログラムでイングランド、アメリカ、ドイツ、ポーランドからJリーグに審判員の招聘を行っている一方、海外にも日本人審判員を派遣することで「学ぶ機会を増やしたい」としている。
加えて扇谷委員長は、審判員のクオリティー向上のため、20代の若手審判員を積極的に抜擢していく必要性も訴えた。その背景には、W杯などの国際大会に審判員派遣を決めるアジアサッカー連盟(AFC)の変化があるという。
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