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「力が付いたら勝つ」じゃなくて「力がなくても勝つ」。己を知る昨年度選手権の東京代表・早稲田実は保善相手に粘り強く戦って完封勝利!

ゲキサカ / 2024年5月27日 19時0分

果敢にドリブル突破を図る早稲田実MF松下岬

 昨年度の選手権予選では、東京朝鮮高や国士舘高、國學院久我山高といった強豪を相次いで撃破し、同校初となる東京制覇を達成。全国大会でも開幕戦で国立競技場のピッチに立つなど、躍進の時間を過ごした早稲田実だが、迎えた今シーズンは地に足のついた発言が目立っている。

「『去年全国に出たチームだから、そういう目で見られているぞ』というのは監督からも言われていますけど、自分たちも去年に比べれば全然弱いということはわかっているので、少なくとも去年ほどは行けなくても、最低限の結果は守らないとダメという意味で、正直プレッシャーはあります」(スミス)「良くも悪くも注目される部分はあるんですけど、去年を上回る力はまだないので、やっぱり去年同様に守備からやる戦い方をして、去年の先輩たちが上げていった名前や立ち位置を守っていくことが大切だというのは、全員の共通認識としてあります」(DF前田竣汰)。

 チームを率いる森泉監督も「何とかどの大会も『ベスト8は死守したい』というのが子どもたちの目標なんですけど、最初は『それも無理だろ』というぐらいの、『そこまでの力は全然ないよね』という感じだったので、あまり欲張ってはやらないようなスタートはしてきましたね」とのこと。自分たちの力を冷静に見極め、『全大会でベスト8進出』という目標を立てた彼らは、実際に関東大会予選でもベスト8まで勝ち上がり、準々決勝では実践学園高に延長の末に敗れたものの、一定の手応えを掴むことに成功している。

 昨年のチームが残した結果もあって、周囲から見られるハードルが上がっていることは、今年の選手たちも実感しているが、良い意味でそこまでの気負いは感じられない。国立の舞台を経験したスミスは「もともと去年のチームは、全国レベルという意味では高いレベルではなかったですけど、チームとしてやることを徹底して頑張れば、ああいうレベルにも行けることがわかったので、今年も実力はないですけど、『頑張ればやれるんじゃないか』という自信にはなったと思います」ときっぱり。ポジティブな要素だけを抽出して、今のチームに還元している様子も窺える。

 森泉監督の言葉も印象深い。「『まだ“至っていない”中でも試合やスコアを作らないといけない』ということは昨日からもずっと言ってきていたので、今日の勝利は『力が付いたら勝つ』じゃなくて、『力がなくても勝つんだ』ということでやってきた形かなと思います。次の相手は格上なのでやりやすいです。ウチはそっちの方が全然好きなので(笑)」。

 既に1年生の小島が「このチームは『ベスト8死守』というのを目標に掲げているので、目の前の試合を1つ1つ勝って、1つ1つ積み上げていって、1つのゲームの中で自分たちが成長できるようにしていきたいと思います」と言い切るあたりに、チームで共有しているマインドが滲む。ちょっとずつ増え始めている『今年の財産』と『今年の引き出し』。インターハイでも目標のベスト8進出までは、あと1勝。やはり今年の早稲田実も、対戦相手にとってはこの上なく厄介だ。

1年生ながらスタメンで奮闘している早稲田実DF小島凛久

(取材・文 土屋雅史)
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