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家族より一緒にいる「サッカークラス」で培った揺るがぬ団結力。初の全国を目指す東京実は東海大高輪台に競り勝って今予選6連勝!

ゲキサカ / 2024年5月28日 12時27分


 支部予選から数えて、インターハイはこの日が6試合目。つまりは6連勝を飾っている東京実だが、ここまではギリギリの戦いが続いている。支部予選決勝は駿台学園高に1-0で辛勝。1次トーナメントも本郷高戦は後半アディショナルタイムの2ゴールで逆転勝ちを収め、東大和南高戦も7人目までもつれ込んだPK戦を制するなど、「結構奇跡的な感じ」(片山総監督)で今予選を勝ち抜いてきた。

 チームを貫いている大きな武器の1つが“団結力”だ。実は東京実のサッカー部員の大半は、2年前に設置された『サッカークラス』に集められている。「サッカー部のヤツらはうるさいから、まとめた方がいいんじゃないかと(笑)。今は3年生が31人ですね」と笑ったのは片山総監督。今の3年生は初代『サッカークラス』の生徒たちだ。

 田中も「サッカークラスは自分たちが初めての代なんです。正直学校生活ではうるさいですけど(笑)、サッカーになった時の団結力には繋がっていると思います。みんなメチャメチャ仲は良いですね」と笑顔で言及。2年生の加藤も「3年生はもうメッチャ仲が良いなと思いますね。練習中もとにかくみんなで盛り上がっています。一体感もありますね」と“先輩”たちについて語っており、纏っている雰囲気の良さは2人の言葉からも窺える。

年代別代表も経験している東京実高のディフェンスリーダー、DF田中玲音

 ただ、彼らは『サッカークラス』ゆえの悔しさも味わっている。今年2月。新チームにとって初めての公式戦となる新人戦を控えたタイミングで、なんと体調不良者が相次いだ2年生の『サッカークラス』が学級閉鎖に。全員1年生で臨んだ初戦は、経験の浅い選手たちも奮闘したものの、結果は0-2で敗戦。思わぬ形で関東大会予選への出場を逃してしまったのだ。

 だからこそ、このインターハイに対する想いが強くないはずがない。「今の3年生は新人戦に出られなかったので、だからこそ余計このインターハイに懸ける想いは強かったです」(高井)「自分たちの代で戦う3大会中の1個の大会が潰れてしまったので、ここで少しでも多く試合をやりたいというのはみんなが思っていると思います」(田中)。彼らの言葉は間違いなく3年生全員の共通認識だ。

東京実高を束ねるキャプテン、MF高井哲平

 片山総監督も今年のチームには手応えを感じているという。「能力的には悪くないですし、面白いと思いますね。1月には『目標はベスト4で……』とか弱気なことを言っていたので、『何言ってるんだ?何のためにサッカークラスがあるんだ?』と。そこから徐々にステップアップしていった感じです。ただ、だいたい勝ち出すと調子に乗るのはわかっているので(笑)、インターハイの本郷戦が終わった後にちょっと引き締めました」。熟練の指揮官は手綱の操縦法もお手の物。彼らの気持ちを乗せて、締めて、ここまで進んできた。

 1つの山場は越えたが、この先も負けたら終わりのトーナメントは続く。「ここで1つ山場を勝てましたけど、ここから先もカテゴリーが上のチームと当たりますし、自分たちはずっと言い続けている“チャレンジャー”として戦っていきたいです」。高井は力強くそう言い切った。全国出場までに必要な勝利は、あと3つ。『サッカークラス』で培った団結力は揺るがない。怒涛の9連勝への道筋が、東京実にはちょっとずつ、ちょっとずつ、見え始めている。



(取材・文 土屋雅史)
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