本格強化から16年目で悲願の全国初出場!! 清水商OB・小田晃監督率いる帝京安積が新たな歴史を刻む
ゲキサカ / 2024年6月1日 22時51分
その後はボールを保持して時間を使い、相手の時間帯を作らせない。アディショナルタイムも凌ぎ、タイムアップの瞬間を迎えた。
小田監督が指揮官となって今年16年目。13年に福島県リーグ2部に参入し、16年に同1部に昇格。プリンスリーグ東北に初昇格した2020年には人工芝グラウンドとクラブハウスが完成し、あとは結果を残すだけだった。
「素直で良い子たち。この子たちと新たな歴史を刻む、新しいステージに入っていくことは成し遂げたかったので、その意味でもすごく嬉しい」
今年のチームは1月の東北新人戦で初めて準優勝を成し遂げるなど、順調なスタートを切った。しかし、シーズンが始まると、プリンスリーグ東北で苦戦。インターハイ予選前まで1勝3分け3敗と黒星が先行し、直近の仙台ユース戦では0-6の大敗を喫していた。だからこそ、小田監督はチームが崩れないようにアプローチを続けてきたという。
「ドツボにハマってしまうと、一気に崩れてしまう。勝手に自信を無くして、やってきたことが間違っているかのような状況になる。だから、(試合毎に)合っていることは合っていると言ってあげて、次のゲームに向かわせてあげることは普段から取り組んできた」
そうした状況になってもチームは崩れず、高いモチベーションを維持。「0-6でベガルタに負けてしまって不安はあったけど、今までやってきたことをやるだけだと思っていた」と平野が話した通り、選手たちも気持ちを切り替えて今予選の第一関門を突破した。
しかし、チームは既に次の目標に焦点を定めている。それが2日に行なわれる尚志との決勝戦だ。1月に行なわれた東北新人戦の決勝では2-4で敗れている。その悔しさは選手たちも覚えており、リベンジを果たして福島県の第1代表として大舞台に挑みたいと話す。
「出場は決まったけど、尚志に勝たないといけない。勝って全国に行く」(白坂)
そういう意味では、2日の決勝は全国舞台に挑む前の試金石となるゲームだ。小田監督は言う。
「やればやるほど、尚志さんの強さは感じてきたし、僕らの弱みに入ってくるのも上手いし、純粋に強い。倒さないといけないというところではあるけど、まだ攻略はできていない。全国の上位に入ってくるチームはそういう強さがある。それを身につけるのはまだまだこれからだし、明日の決勝はやってみないとわからないけど、僕らが尚志の上に行くというところは目指したい」
出場権を手にして終わりではない。絶対王者との“全国大会0回戦“を制し、自分たちの力を示した上で大舞台に乗り込む。
(取材・文 松尾祐希)
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