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左腕に巻く腕章に込めた「山田の誇りとプライド」。青森山田DF小沼蒼珠が力強く歩み出した日本一のキャプテンへの道のり

ゲキサカ / 2024年6月4日 19時55分

青森山田高のキャプテンを任されているDF小沼蒼珠(3年=三菱養和SCジュニアユース調布出身)

[6.3 インターハイ青森県予選決勝 青森山田高 1-0 八戸学院野辺地西高 カクヒログループアスレチックスタジアム]

 もう自分がやると腹を括ったからには、全部背負い切ってみせる。勝利だけを義務付けられた責任も、優勝しか許されないようなプレッシャーも、すべてをエネルギーに変えた上で、ただ結果で証明するしかない。それが青森山田のキャプテンを務めるということだ。

「やりがいはあります。大きいものを背負っているからこそ、自分が一番やらないといけないですし、絶対に自分の成長にも繋がるものがあるので、今は誇りとプライドを持って、キャプテンマークを付けさせてもらっています」。

 絶対王者・青森山田高(青森)を牽引するキャプテン。DF小沼蒼珠(3年=三菱養和SCジュニアユース調布出身)は県24連覇という大きな重圧の懸かった一戦を堂々と戦い抜き、歓喜と安堵の笑顔をチームメイトたちとともに共有した。


「こういった難しいゲーム展開になるということは、正木さん(正木昌宣監督)にも言われていました」と小沼も明かした、青森の覇権を巡るインターハイ予選のファイナル。打倒・青森山田に燃える八戸学院野辺地西高は、前半からアグレッシブに立ち上がり、明確なファイティングポーズを打ち出してくる。

 何回か鋭いカウンターからピンチを迎えたものの、小沼は冷静に状況を見極めていたという。「まずカウンターを何本も受けているというのは、自分たちの力量不足なんですけど、もし遅れても『ゴールを隠す守備』は正木さんにもGKコーチの古川(大海)さんにもずっと言われていたことですし、そこは自分たち4バックとキーパーの守備ラインはずっと練習から死ぬ気でやってきたことなので、失点することはないかなと思っていました」。身体を寄せ、身体を投げ出し、最後の局面では絶対にやらせない。

 試合前から小さくない重圧は感じていた。この決勝に懸かっていたのは県内の公式戦408連勝と、インターハイ予選の県24連覇。にわかにはピンと来ないぐらい途方もない数字ではあるが、とにかくその偉大な記録を自分たちの代で途切れさせるわけにはいかない。

 実は“前キャプテン”からも激励の連絡が届いていたという。「虎さん(山本虎/現・東洋大)も昨日LINEしてきてくれて、それでちょっと気持ちが和らげたのもあるんですけど、そういう先代のキャプテンたちもこれを乗り越えてきているんだということを自分に言い聞かせていましたし、虎さんにも『去年から出ているオマエと(谷川)勇獅が引っ張っていけ』ということを言われたので、『それはオレの宿命かな』と思って、試合が始まる前のベンチでも良い声を掛け続けていました」。先輩の気遣いがとにかく嬉しかった。

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