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10人になった延長後半で手繰り寄せた決勝弾!「サッカーを楽しむ気持ち」を軸に据えた多摩大目黒は国士舘相手に劇的勝利で東京8強!

ゲキサカ / 2024年6月5日 12時23分

 16分は多摩大目黒。右から薄井が入れたCKに、小松が合わせたヘディングはクロスバーにヒット。30分は国士舘。右からDF宇野徠牙(3年)がピンポイントで送り込んだクロスに、高い打点で当てた高橋のヘディングは、ここも原田がファインセーブ。36分も国士舘。最終ラインと巧みに入れ替わった五加がフリーで狙ったフィニッシュは、わずかに枠の上へ。「後半は結構攻められながら耐える時間が多くて、みんなで声を掛けるようにしました」と武田。国士舘が押し気味に進めた後半も、両チームに得点は生まれず。勝敗の行方は前後半10分ずつの延長へと委ねられる。

 アクシデントが起きたのは延長後半1分だった。降り続く雨でスリッピーになっていたピッチコンディションの中で、多摩大目黒の選手が危険なタックルを行ったという判定で、主審はレッドカードを提示。10分近い時間を残して、多摩大目黒は10人での戦いを余儀なくされることになる。

 だが、多摩大目黒はファイティングポーズを取り続ける。「退場になっても別に下がることもなく、『いいよ、そのまま2トップで行こうよ』と変えずにやりました。やられることは考えなかったですし、PK戦も考えなかったですね。『もうこのままやり切ろう』と。選手もそのまま行けるとは思ったんじゃないですか」と話したのは遠藤雅貴監督。指揮官のマインドは、そのまま選手たちの共通認識。そして、歓喜の瞬間が訪れる。

 延長後半3分。ディフェンスラインの裏にヘンリーが飛び出す。「キーパーが出てきたので、ギリギリのタイミングでキャッチされる前に足を伸ばしたら先に触れて、1回キーパーに当たったんですけど、自分の右足のところにボールがこぼれたので、あとは押し込むだけでした」。

 殊勲の10番が駆け出すと、スタンドからも声を嗄らしていた選手たちが次々とピッチへ雪崩れ込んでくる。「もう本当にヤバかったです。みんながこっちへ出てきた時に、やっと『ああ、オレが決めたんだ』って。時間も時間だったので、『あ、ヒーローだ』みたいな(笑)。もみくちゃにされて、メチャクチャ嬉しかったですね」(ヘンリー)。数的不利にもかかわらず、執念で奪った1点で勝負あり。多摩大目黒が国士舘を1-0で振り切って、準々決勝へと勝ち上がる結果となった。

数的不利の多摩大目黒高はFWヘンリー公太(10番)のゴールで先制!

「今日はたぶんみんなサッカーを楽しんでいたんですよ。自分も1人減った状況でも『ヤバい』という感じはまったくなくて、『逆にそっちの方が面白いな』みたいな。チーム全体もそんな感じになっていたのかなって。いつもだったら、ああいう状況になった時にそこまで良い流れになっていないと思うんですけど、今日は割と試合がうまく運べていたこともあって、みんなそういう気持ちだったと思います」。この日のヒーローをさらったヘンリーは満面の笑顔で、100分間をそう振り返る。

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