[MOM4745]帝京MF杉岡侑樹(2年)_カナリア軍団のジョーカーが全国切符を手繰り寄せる劇的決勝弾でミッション完遂!
ゲキサカ / 2024年6月16日 18時6分
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.15 インターハイ東京都予選準決勝 帝京高 2-1 日大豊山高 AGFフィールド]
もうほとんど後半が終わりかけていることはわかっていた。せっかく交代カードとしてピッチに送り出されたのに、納得の行くようなプレーは出せていない。ならば、せめて結果だけでも残さないと、せっかく使ってもらった期待に背くことになる。感覚は研ぎ澄まされる。一瞬の隙だって、見逃すつもりはない。
「今日の自分はあまり良いプレーができていなかったので、あそこのシーンで相手からボールを奪えて、しっかりゴールを決められて、良かったと思います」。
後半アディショナルタイムの決勝点を呼び込んだのは、「絶対に自分が決め切ってやる」という強い意志。帝京高(東京)が誇る攻撃のジョーカー。MF杉岡侑樹(2年=ヴァンフォーレ甲府U-15出身)の抜け目なくプレスを掛け切るアグレッシブさと、冷静なフィニッシュワークが、チームに2大会ぶりの全国出場という歓喜をもたらした。
インターハイの全国切符が懸かった東京のセミファイナル。日大豊山高と対峙した帝京は、ボールを握る展開の中で先制を許したものの、前半終了間際にFKからFW土屋裕豊(3年)が華麗な同点ゴール。1-1に追い付いて、ハーフタイムを迎えていた。
藤倉寛監督を中心にしたスタッフ陣は、後半開始からの選手交代を準備する。「『中盤でボールを受けて、捌いたりしてチャンスを作れ』と言われていて、自分としてはボールを受けて、前を向いて、スルーパスを出したり、自分でシュートを打って、ゴールを決めようと思っていました」と口にした杉岡が入ったのは1トップ下の位置。攻撃の指揮を執る重要な役回りだ。
より激しさを増していく展開の中で、杉岡はなかなか中盤や前線の良い位置でボールを引き出すことができず、ゲームに入り切れない時間が続いていたが、勝負をかけるべきタイミングを虎視眈々と狙い続けると、土壇場で千載一遇のチャンスがとうとう巡ってくる。
後半40+5分。右サイドでボールが相手ディフェンスラインの裏へと転がる。自分より大柄な選手がラインを割らせようと身体を入れていたものの、17番は実に冷静だった。「最初は回り込もうと思ったんですけど、相手の身体が強かったので、足の間から自分の足を伸ばしたら、奪い切れました」。ゴールラインギリギリでボールをかっさらうと、まったくのフリーで少しだけ中へ運びながら、左足を思い切り振り抜く。
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