境遇の異なる2人のOB指導者によって変化。四国準Vの済美は「全国でもできる限り勝ちたい」
ゲキサカ / 2024年6月18日 21時1分
[6.15 四国高校選手権1回戦 済美高 4-0 徳島科学技術高 香川県営サッカー・ラグビー場サブ]
6大会ぶり5回目のインターハイ出場を決めた済美高(愛媛1)。その勢いのまま四国大会に挑むと、1回戦・徳島科学技術高(徳島2)戦はFW宮内黄(3年)の先制点を皮切りに4点を奪って、4-0で快勝。続く、四国学院大香川西高(香川2)との準決勝では4-3の打ち合いを制した。17日に行われた決勝こそ徳島市立高(徳島1)に0-2で敗れたが、県1部リーグを戦う済美にとって、貴重な経験をつかむ大会になったのは間違いない。
済美を率いるのは愛媛FCをはじめ、横浜FC、ファジアーノ岡山を渡り歩き、J2通算301試合に出場した経験を持つ渡邊一仁監督だ。2020年限りで現役を引退すると、翌2021年にはコーチとして母校に復帰。現在は監督として指揮を執る。
「僕みたいな潰し屋系のボランチは頭を動かし続けている。ガツガツ行く選手だと思われるけど、色んな計算をしてどこかに追い込んで最後に奪っていた。そうした考えてプレ-してきた経験が、指導者に向いていたと思う」。そう笑う通り、指導者としての適性は合ったのだろう。指揮官の指導力だと思わされる好選手が、今の済美にはいる。
選手に求めるのは、“相手を見てサッカーをすること”。DF、MF、FWのスリーラインがどんな状態にあり、どこのライン間が空いているかを常に見極め、適切なポジションを取りながら判断よく相手ゴールに向かっていく。自陣からのビルドアップを志すが、相手がハイプレスを仕掛けてきたら、空いた背後に長いボールを入れる判断ができる。今年の3年生は自らが声を掛け、手塩にかけて育ててきた選手が揃い、MF隅田幸輝(3年)と深見月哉(3年)を筆頭に技術と判断力の高さが目を惹く。
ただ、転身したばかりの頃は指導者としての難しさを感じていた。自らがJリーガーだった頃に触れあってきたのは、アカデミーから昇格した選手がほとんどで、多種多様な選手がいる高校サッカーには指導者として触れていない。
大学卒業後、四国リーグからJリーグまで選手として這い上がってきた指揮官は「プロで飯を食ってきた熱力で、この子たちとぶつかった」が、自身とレベルが違えば、モチベーションも違う。最初は選手との温度差に戸惑ったが、「今は“お前たちでもできる”と自信を植え付ける作業もセット」と口にする通り、高い基準を求めつつも、上手く高校サッカーに適合し始めている。
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