VAR未導入のJ2水戸vs長崎で起きた物議のPK判定変更…JFA審判委が経緯説明「プロセスが良くなかった」
ゲキサカ / 2024年6月19日 15時9分
日本サッカー協会(JFA)審判委員会は19日、千葉市内の高円宮記念JFA夢フィールドでレフェリーブリーフィングを行い、ピッチ上での判定変更が物議を呼んだJ2リーグ第18節の水戸ホーリーホック対V・ファーレン長崎戦の事例を説明した。
今月2日に行われた水戸対長崎戦では2-2で迎えた後半アディショナルタイム6分、長崎のMFマテウス・ジェズスがペナルティエリア内でドリブル突破を仕掛けると、水戸のMF前田椋介の両足に挟まれるような形で転倒。榎本一慶主審はその時点ではファウルの笛を吹かなかったが、副審(A1)や第4審との協議の結果、判定がPKに変更された。
今回のケースはVARの導入されていないJ2リーグゆえ、判定変更に至るまでのプロセスが疑念を呼んだ。主審はプレーが切れた後、いったんは長崎ベンチの「PKではないか」という抗議に対応。続いて副審や第4審との協議を行ったため、長崎側の抗議を受けたことによって判定変更に踏み切ったようにも思われた。
そのため判定変更後、今度は水戸側からの猛抗議を呼び、さらに試合が中断。主審が水戸の森直樹監督に説明を行った後、約8分間の中断を経て長崎のPKで試合が再開された。そしてこのPKをFWフアンマ・デルガドが決め、長崎が勝ち越しゴールを記録。その後、スタジアムが騒然とする中で試合終了となった。
※当該シーンは6:31〜
ブリーフィングには扇谷健司審判委員長と佐藤隆治JFAレフェリーマネジャーが登壇。JFA審判委員会の見解としては「テクニカル上はPKとすべき事象だと判断している」「競技規則では次の再開までであれば最終判定を変えることは認められている」とピッチ上の最終判定を支持しつつも、「審判チームで協議してPKとした判断は間違っていなかったが、そこのプロセスが良くなかった」と総括した。
佐藤マネジャーが着目したのは「ただ正しい判定をするだけでなく、いかに納得してもらえる判定をするか」という観点だ。その観点に沿うと、今回のケースでは「ベンチのプレッシャーを受けて変えたと捉えられてしまう」ことが問題点。両チームに対する説明を行う前に「まずは(主審が判定変更のために)審判チームを呼ぶべきだった」と結論づけた。
審判委員会はこの事例が起きた直後、1級審判員全員に今回のプロセスに関するオンライン会議を行ったという。この日、報道陣に明かされた説明資料によると、次のような経緯で判定変更が行われていたという。
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