「ロス五輪への推薦状」第18回:ずば抜けた身体能力と水準以上の技術力を兼備。神戸弘陵右SB阪上聖恩がプロ、代表への道を切り拓く
ゲキサカ / 2024年6月25日 20時54分
2028年ロサンゼルス五輪まであと4年。ロサンゼルス五輪男子サッカー競技への出場資格を持つ2005年生まれ以降の「ロス五輪世代」において、年代別日本代表未招集の注目選手たちをユース取材ライターの川端暁彦記者と森田将義記者がピックアップ
近年、関西の高校サッカーシーンで注目度が高まっているのが、神戸弘陵高(兵庫)だ。2019年にDF田平起也(現・水戸)に加入してからは、大学経由も含め6年連続でJリーガーが誕生。谷純一監督が「以前よりも質の高い選手が入ってきてくれている」と話す通り、今後はプロの世界で神戸弘陵出身選手の名を目にする機会が増えそうだ。
今年もすでにDF吉村瑠晟(関西大3年)の2026年度からの磐田加入内定が発表されたが、神戸弘陵発のJリーガーが更に増えるかもしれない。弘陵史上16人目のJリーガーとなりえる可能性の持ち主が、昨年からのレギュラー右SB阪上聖恩(3年)だ。
持ち味は他を圧倒する身体能力の高さ。FC PASENO ITAMIに所属した中学時代から元G大阪のトレーナーによるフィジカルトレーニングに足しげく通い、元々速かったというスピードは50m5秒9で走るまでになった。
今でも筋トレで体幹を鍛えているため、対人でも簡単には負けない。ピッチで繰り出す力強いプレーを一度でも見れば、「攻撃はスピードでぶっちぎれる自信がある。守備では対人で負けない自信がある。かかってこいという感じ」と胸を張る理由も分かるはずだ。
中学時代はサイドハーフでプレーしていたが、高校入学直後に右SBへとコンバートされると、すぐさまトップチームに絡むようになった。転向直後は「守りへの自信は全くなかった」というが、1年生の10月にプリンスリーグ関西2部で東山高と対戦すると、相手のサイド攻撃を封鎖。阪上自身が確かな手応えを掴むとともに、谷監督からの評価も高まった。不動の座を掴んだ昨年は「点の取れるSBになることが目標」だったが、MF北藤朔(現・関西学院大)を筆頭に個で打開できる強力なアタッカーが揃っていたため、守備に重きを置いていたという。
昨夏以降はプレーの幅も広がった。7月に行なわれたインターハイの初戦で青森山田高と対戦。高校年代トップクラスのチームとの対戦は自身のプレースタイルを改めて見直す機会になったという。「縦ばかりだと警戒されるとも思い、中への侵入を増やした。内に入ってから対角にボールを入れたり、内側を取ってサイドハーフに外を張らせる。そうしたプレーも取り入れた方が良いかなと思って、インナーラップをしている」。中学1、2年生の頃はボランチでプレーしていたため、キックの質も一定以上で単なる肉体派ではない。
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