約半年間の離脱から、待望の先発復帰戦で光る動き。注目右SB野田裕人主将は静学を変え、毎熊、濃野に近づく
ゲキサカ / 2024年7月2日 15時59分
チームは前半半ばから保持する時間を増加。その中で、野田は右サイドでボールに係わる回数を増やしていく。だが、自分の前方にスペースがない状態が続き、高い位置で特長を発揮することができなかった。
それでも、後半には右サイドからの絶妙なスルーパスで決定機を創出。「ハーフタイムに大木から『もうちょい裏見て欲しい』って言われたんで、後半はより意識するようになったかなと思います」。FW大木悠羽(3年)への正確なパスで大津の守りを攻略。復帰後初めてフル出場を果たし、今後の活躍を期待させた。
主将を務めるシーズンは離脱からのスタート。これからという時の怪我のダメージは大きかった。「最初の1か月は本当にシンドくて。自分できてないけど、みんなやってるみたいな。ウズウズしてたっすけど、復帰した時に自分がいいパフォーマンス出すためにって考えてやっていました。自分のサッカーキャリアの中の大きなヤマ場かなと思ったんで、『これ乗り越えたら見える景色がもっと大きいかな』ってずっと考えていました」と振り返る。
精力的に体幹強化も続けて復帰。DFとして守備意識を高く持ちながら、クロスやゴールを決めることで違いを示していく意気込みだ。「目指すべき選手」に挙げるのは日本代表の右SB毎熊晟矢や、ルーキーイヤーながらJ1で5ゴールをマークしている鹿島の右SB濃野公人。ゲームを作れて、前にも入っていけるSBに近づいていく。
長期離脱明けだけに、「ここからが勝負」。1、2か月のパフォーマンスで人生が変わるかもしれない。コンディションをより高めることが重要。ただし、自分のことよりも、主将としてチームを変えることから取り組んでいく。
「まずは自分がもっと今日感じたことをチームに発信して、本当にチームとして基準を上げていかないと、今後に繋がんないかなって思います。ホントに目の前の試合だけに集中して、ホントに一戦一戦戦った先に結果もついてくると思うんで、チームとしても目先の一戦のためだけにいい準備をしていきたい」と力を込めた。巻き返しのキーマンが、静学を変え、チーム、個人としても結果も残す。
(取材・文 吉田太郎)
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