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中体連出身の守護神が感じたワンプレーの怖さ。大宮U18GK清水飛来は明確に思い描く未来予想図に向かって努力を重ねていく

ゲキサカ / 2024年7月4日 19時47分

 だが、掴んだはずのボールがその両手からするりと滑り落ちると、そこには相手のアタッカーが抜け目なく待っていた。プッシュされた軌道がゴールネットを揺らす。結果的にこの1点が決勝点に。1-2。奮戦した大宮U18は勝ち点を取り逃がす格好となった。

「せっかく1-1に追い付いてもらった中で、ああいうプレーをしたらチームにも迷惑が掛かってしまうので、凄く悔しかったです」。もちろん清水にとっても、痛恨のワンプレーだったことは間違いない。それでもサッカーという競技は、常にこういうことが起こる可能性をはらんでいる。冒頭の言葉のように、もちろん小さくない反省は行いながら、一方でポジティブに前を向く姿勢に、携えているメンタルの強さが滲んだ。



 小学校3年生で初めてのチームに入ったばかりのころ、ポジションはフォワードだった。4年生からの2年間はゴールキーパーを務めていたものの、「凄く良いチームだったんですけど、自分自身がサッカーを楽しめなくなってしまったんです」と当時を振り返る清水は、6年生になると1年ほどサッカーから離れていたという。

 ただ、中学に入学すると兄の影響もあって、再びボールと向き合う情熱を取り戻し、通っていた深谷市立豊里中のサッカー部に入部。ここでも最初の半年間はフォワードでプレーしていたが、1年生の途中からはゴールキーパーに“復帰”することになる。

 チームはごくごく普通のサッカー部だったため、練習するのは土のグラウンド。もちろん専門のゴールキーパーコーチもいるはずがない。「サッカー部は2人の顧問の先生が教えてくれていたんですけど、小学校の時のキーパー練習も少しは覚えていたので、自分なりにそれをやったり、あとは友達にボールを蹴ってもらって、それを止める練習もしていました。自分でメニューを考えたりもしていましたね」。

「そもそも土のグラウンドなので、硬い時も柔らかい時もあって、柔らかい時はもうジャージも全部泥だらけになったんですけど(笑)、それでもサッカーをするのが楽しかったですし、泥だらけになってでもダイビングしてシュートを止めた時は、凄く嬉しかったですね」。環境どうこうなんて関係なく、ただただサッカーをするのが楽しかった。

 少しずつポテンシャルを開花させていった清水の存在は周囲の目に留まり、埼玉県トレセンにも呼ばれるようになる。「他の選手はみんなクラブチームの選手で、普段は部活でやっていて、そこから県トレの練習に参加したら、もう全然世界が違ったんですけど、そこで揉まれてやろうという気持ちでやっていました」。

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