「正直入れないかと」パリ五輪メンバー佐藤恵允の紆余曲折…大学生で初招集、常連組への道のり、最終予選で苦戦もパリへ「全試合全力で」
ゲキサカ / 2024年7月5日 10時23分
悲願のパリオリンピックメンバーに入り、全力でメダルを追いかける。ブレーメンのU-23日本代表MF佐藤恵允は3日のオンライン会見で心境を語る。「ドイツでは朝7時の発表を生で観ていた。率直にうれしい気持ちと、少し驚きがあった」と思いを口にした。
明治大サッカー部で成長を続け、大岩剛監督体制では2022年5月の候補合宿で初招集。同年6月にウズベキスタンで行われたU23アジア杯に追加招集で唯一の大学生としてメンバー入りすると、4試合出場2得点と活躍した。その後は欧州遠征での参加が続き、23年3月の欧州遠征ではドイツとベルギーから1得点ずつ奪う結果を残した。
だが、常連組の一員までの道のりはまだ遠かった。23年4月には再び候補合宿に参加。当時の佐藤は「境目に入るか入らないか、グレーゾーンのところにいる選手。もっと圧倒的な選手になって、もっと立ち位置を上げるくらいやらないとダメ」と自身の現在地を語っている。23年夏には異例のブレーメン移籍が決定。直後には大学生メンバー中心のアジア競技大会で決勝まで勝ち進み、23年11月の国内活動では常連組とともにU-23アルゼンチン代表相手に鋭いミドルシュートを決めた。
アルゼンチン戦での活躍で実力を知らしめた。今年3月の国内活動では日の丸の背番号10を着用。「重いっす」と心境を吐露しながら、パリ五輪に出場するウクライナからゴールを奪取。たしかな成長とともにパリ五輪アジア最終予選を兼ねたU23アジア杯メンバー入りを果たした。
パリ五輪切符を懸けたU23アジア杯では3試合先発、3試合途中出場で全試合に出た。持ち前の走力を生かしてチームに貢献した一方、決定機の場面で決め切ることができなかった。大会中には「個人としてこの大会はまだあまりうまくいっていない」と悔しさをにじませる。推進力や持ち前の強引さは健在だったが、数字を残せなかった点だけが後を引いた。
パリ五輪メンバー入りを知った直後の“少しの驚き”は、U23アジア杯の悔しさから生まれたものだった。「最終予選でいいプレーができなかったというところもあった。18人の枠に自分が入っているかどうか。正直、入れないなっていう実感もあった。そのなかでの選出だったので驚きがあった」。メンバー発表までの短い時間で取り組んだこともある。芽生えた迷いを払しょくするために、これまで選ばれてきた意味を自問自答したという。
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