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個人の繋がりからグループの全体像を描くブレないアカデミーのフィロソフィー。さらなる進化を期す熊本U-18は長崎総科大附とスコアレスドロー

ゲキサカ / 2024年7月7日 18時25分

「今ごろは首位争いをしているイメージでやっていたんですけどね。正直プレシーズンは少し勢いでうまく行っていた部分もあったんですけど、ここまでチームとしてまったく積み上がっていないかと言ったら、そういうこともないので、あの勢いが今のチームに欲しいなと思います」。岡本監督はそう語りながら、高校年代のチームを率いている中で考えていることも口にする。

「チームとしての成長も間違いなく大事なんですけど、僕自身は個人の成長が一番に来てほしいところがあるので、余白を残したいというか、あまり戦術的になりすぎないようにというのは心がけていますね。結局ビルドアップをクリアしてからどうするというところがチームの課題で、そこはチームとしての形というか、狙いも必要ですけど、選手個人が一番の強みをもっと発揮できるように、トレーニングしていきたいなとは思っています」。

 ここ数年の熊本U-18を見ていると、選手たちが適切な立ち位置を取りながら、トップチーム同様にボールを丁寧に動かし、サイドと中央を使い分けるアタックを繰り返すような、トレーニングで積み重ねていることがピッチに現れるスタイルを、どのシーズンのチームも体現している。

 キャプテンの東の言葉も印象深い。「高校の時からこういうことができていると、大学やプロに行く上で、自分の個人戦術も上がっていくと思いますし、自分で判断することが多いので、いろいろと考えながらプレーできるようになるかなと思っています」。身に付けるべきベースの部分を学ぶことの効果は、選手たちも十分に感じているようだ。

熊本U-18を束ねるキャプテン、DF東哲平

 その上で、個人の育成も着々と進んでいる。道脇豊や神代慶人のように、高校生のうちにプロ契約を交わし、既にトップチームの確かな戦力になるような才能も輩出。「やっぱり豊と慶人がトップに行っていることは刺激になっていますけど、それこそ豊は年齢も一緒なので『オレらもできるぞ』ということは監督からも言われていますし、そこは意識の差が違いになっているとも思うので、もっとそこに近付いていきたいですし、刺激をもらってやっています」と東も語るなど、彼らがU-18の選手たちに与える影響も小さいはずがなく、そのサイクルを考えても、熊本のアカデミー自体が着実にステップアップしていることは間違いないだろう。

 九州予選で敗退したため、この夏のクラブユース選手権の出場は叶わず、プリンスリーグでも思い描いていたような結果は残せていないが、指揮官は改めてここからのチーム作りについても、それぞれの判断を尊重しながら、個性を繋ぎ合わせて組織に昇華させるような、明確なイメージを持ち合わせている。

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