逆境の中で人間として、プレーヤーとして成長し、特別な1勝。青森山田DF小沼蒼珠主将は「誰よりも努力する」を継続してインハイへ
ゲキサカ / 2024年7月9日 2時24分
[7.7 プレミアリーグEAST第11節 青森山田高 1-0 柏U-18 青森山田高G]
「サッカー人生の中でも、本当に嬉しいモノ」「勝って泣くっていうのは自分、初めて」という1勝だった。2023年度のプレミアリーグ、選手権王者の青森山田高(青森)は柏U-18(千葉)を1-0で下し、今季ホーム戦6試合目で初勝利。主将の右SB小沼蒼珠(3年=三菱養和SC調布ジュニアユース出身、U-17日本高校選抜候補)にとって、特別な白星になったようだ。
「去年、あれだけ勝てるチームにいて、勝つことは当たり前じゃないんだなっていうのは、ホントに知れた(今年の春)遠征からでしたし、去年、当たり前にやってた(ホーム戦勝利後に部員全員で肩を組んで歌う)『We are green』も、(昨年11月以来)やっぱこんなにできないと辛いんだなって思って」。この日、計208人の仲間が一緒に勝利を喜んでくれる姿を見て、主将は「こみ上げてくるモノがありました」と感動していた。
「本当に忘れない勝利だったなって思います」
小沼は昨年度、プレミアリーグファイナル、選手権決勝の勝利も経験。丸刈りのSBは抜群のロングスローや対人の強さ、タフネスによって知名度を挙げた。一際大きな声で仲間を鼓舞するほか、ピッチ外では笑顔も多く、人気のあるキャラクター。その一方、結果の出ていない今季、“青森山田の顔”は厳しい指摘などの矢面に立ち続けてきた。その逆境の中で小沼は人間として、プレーヤーとしての成長を実感している。
「(今は)チームが勝てない時にどうするべきか分かってますし、何が足りないのかなっていう冷静な分析ができるのも、3年生でキャプテンになって全体見るようになったのも負け始めてからです。去年はずっと(先輩たちに)付いて行ってばっかだったので、自分が先頭になってやる難しさも知れて、人間としてホントにそういった部分は成長できました」
また、昨年の経験者として誰よりも口に出す分、誰よりもプレーで表現することを目指してきた。「やっぱり言ってるだけじゃ絶対付いてこないんで、やっぱりプレーで示すっていうのも、まだ得点では結果出してないんですけど、後半足が止まってくる中で身体投げ出して守備することだったり、誰より走ってオーバーラップすることも自分の持ち味だと思う。そういった部分では、去年よりもタフに戦える自分がいるなっていうのは感じています」。この日は柏U-18の左FW吉原楓人(3年)とのマッチアップで苦戦を強いられたが、“小沼らしい”プレーも随所で見せていた。
プレーヤーとしても成長中
相手のキレのあるドリブルに振り切られるようなシーンもあったが、身体を投げ出して最後の一歩まで食らいつき、空中戦やゴール前の攻防でバトル。近い距離からの相手の縦パスに対して反射的に頭を出し、クリアするシーンもあった。また、チームメートにやるべきことを伝達。できることをやり尽くし、1-0で90分間を終えた。
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