名古屋vs浦和のVAR機材トラブルはモニター電源が原因…JFA審判委が経緯と今後の運用方針を説明
ゲキサカ / 2024年7月10日 19時56分
日本サッカー協会(JFA)審判委員会は10日、都内でメディア向けレフェリーブリーフィングを開き、6月26日のJ1第20節・名古屋グランパス対浦和レッズで発生したVAR機材のトラブルはピッチ脇モニターの電源が落ちたことによるものだと明らかにした。今後、同様のトラブルなどで主審が映像を確認できない事案が発生した場合、本来はオンフィールドレビュー(OFR)を行うべき主観に基づく事象でも、VARオンリーレビューで最終判定を下す対応を取るという。
この試合では後半キックオフ前、池内明彦主審が両チームベンチに対して説明を行い、キックオフが遅延。後半開始後、場内ビジョンと中継映像に「現在機材トラブルが発生しており、VARは適用できません」と表示されてVARシステムに不具合が生じていることが明らかになり、VARシステムが一時停止したと思われた。
ところがその直後の後半6分、浦和のDF佐藤瑶大がゴールネットを揺らした際、オフサイド判定に伴うVARチェックがスタート。その結果、オフサイドの判定は変わらなかった。続く同14分ごろに「VARの機材トラブルは解消しました。これよりVARを適用します」と場内ビジョンと中継映像に表示され、VARシステムの再開が明示された。それ以降は目立ったトラブルは起きず、浦和が1-0で勝利した。
今回の事象ではVARシステムにトラブルが起きていたにもかかわらず、試合中にVARチェックが行われたという流れになっており、試合後にはファン・サポーターから疑問の声が噴出していた。この日、佐藤隆治JFA審判マネジャーも「何が起こったんだろう」というファン・サポーターの心情に理解を表明。続いて機材トラブルの経緯を以下のように説明した。
▽前半44分
・コミュニケーションシステム経由でVARオペレーションルームとピッチの交信ができないことにVARが気づいた。
・アシスタントVAR(AVAR)が「テクノロジープロバイダースタッフ」に呼びかけ、VARルームと主審や副審の間に第4審判員を経由するトランシーバーでの交信に変更した。
▽後半キックオフ直前
・主審がレビュー用のモニターに映像が映っていないことに気づき、VARと確認作業を行った。
・VARが主審に対して「VARシステムが使えない」と報告した。
・VARの報告を受けた主審はレビュー用モニターに映像が映らない事実を踏まえ、オフサイドポジションなど主審の映像確認を必要としない事象のみVARオンリーレビューで対応し、オンフィールドレビューを必要とするケースは介入しないという運用を決定した。
・以上の決定を両ベンチに説明し、了承を得て2分遅れでキックオフした。
・場内ビジョンに「現在機材トラブルが発生しており、VARは適用できません」と表示された。
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