小学校4年生からの6年間を過ごした日立台への幸せな帰還。筑波大MF徳永涼が味わった特別な“60分間”の感慨
ゲキサカ / 2024年7月11日 12時15分
「前半をやってみて『いけるな』というのが率直な感想でした」。スタメンでピッチに飛び出した徳永は、ドイスボランチを組むMF加藤玄(3年=名古屋U-18)とチームのバランスを取りながら、「自分のプレーも前に前にということを考えながら、ターンしたり、ドリブルで突っかけることを意識していました」と積極的にボールへと関わっていく。
ふと気付くと、自分の前からも後ろからも、よく聞いているチャントが響いてくる。「レイソルの応援は曲が好きなんですよね。サポーターの方も雰囲気も凄く作ってくれて、それに負けないぐらい筑波の蹴球部の部員が応援してくれて、自分にとっては本当に最高のステージでした」。
やはりスタメンで出場した“同級生”の山本とは、マッチアップする機会もあった。そのことについては“先輩”からも声を掛けられたという。「さっき蒼生くん(田村蒼生(4年=柏U-18))が『オマエが桜大のカウンターを止めた時はアツかったよ』と言ってくれて、そういうことも思い出になるのかなって、自分はレイソルから違うチームに行きましたけど、このピッチで会えたのは嬉しかったです」。
後半15分。ピッチサイドに掲げられた交代ボードに、自分の背番号が灯る。「この試合はチームとしてレイソルに向かっていきましたし、勝ちたいという想いがあったので、交代自体には正直悔しさはありますけど、全然ネガティブな感情ではないですし、自分の中で受け入れられてもいました。その分ピッチにいる選手たちに想いを託して、自分が外からできることをしようと思いました」。時間にして60分間。頼れる仲間にすべてを託し、筑波大の17番は日立台のピッチを後にした。
試合は延長で決着が付いた。1-2。彼らの冒険は3回戦で幕を閉じる。ミックスゾーンに姿を現した徳永は、改めてこの日の自分が感じたことを、こう話してくれた。
「自分はこのピッチの外側から、Jリーグのレイソルの試合を毎週のように見ていたわけで、そのピッチの中に今日は自分がアカデミーにいたころから見ていた古賀太陽さんや細谷真大さんがいて、その中で自分が中で一緒にやっているのも、自分が見ている側から見られている側になっているというのも、不思議な感覚でしたけど、メチャメチャ楽しかったです。ここは観客との距離も近いですし、レイソルのチャントも全部わかるものばかりで、そういうピッチでできたことは嬉しかったですけど、欲を言えば勝ちたかったので、悔しいというのが率直な感想ですね」。
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