小学校4年生からの6年間を過ごした日立台への幸せな帰還。筑波大MF徳永涼が味わった特別な“60分間”の感慨

　特別な相手との、特別な試合。嬉しさと、悔しさと、不思議な感覚を味わったこの日の日立台での時間を、徳永はかけがえのない経験として、これからのサッカーキャリアに生かしていくはずだ。



　J1のチームと2度に渡って対峙した経験を得て、ここからは再び関東大学リーグの日常へと戻っていく。まだチームの中で絶対的な立ち位置を築けていないことは、自分が一番よくわかっている。まず目指すのは筑波大で不動のレギュラーを勝ち獲ること。そこにトライするだけの価値は、必ずある。

「町田とレイソルとの試合では、自信になった部分と、『もう1つ2つレベルアップしないとな』という悔しさも残りました。ただ、本当にこれからが大事だと思うので、今は自分の分析をまたイチからし直して、もっと良くしていこうという、凄くポジティブな感情ですね」

「自分は本当に今年が勝負の年だと思っていて、それこそ今年でプロの内定も勝ち獲らないといけないと思いますし、去年インカレで明治に負けたのも凄く悔しかったので、そういうところでも自分が活躍して、チームを勝たせたいと思います」。

　日立台の豊かな土壌が育んだ、筑波大のプレーメイカー。勝負の1年と位置付けた2024年を戦っている徳永涼が、これからサッカー選手として紡いでいくキャリアには、この日のような素晴らしい体験がきっとまだまだたくさん待っているに違いない。



(取材・文　土屋雅史)
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