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「不思議な感覚」筑波大“学生監督”元柏U-18主将・戸田伊吹が敵将となって柏レイソルと対戦

ゲキサカ / 2024年7月13日 8時12分

指示を出す戸田伊吹コーチ

[7.10 天皇杯3回戦 柏2-1(延長)筑波大 三協F柏]

 “敵将”としてこんなにも早く立つとは考えもしなかった。高校時代まで一緒に試合に出ていたGK佐々木雅士や、一学年先輩ながら地元が同じで、練習後にはいつも一緒に帰っていたというFW細谷真大のプレーに、戸田伊吹はテクニカルエリアから視線を送っていた。

「不思議な感覚でしたし、指導者に転身してこんなに早く日立台のピッチで指揮を執れるとは思っていなかったので、ここまで連れてきてくれた選手に感謝の気持ちしかない。いろいろ感慨深い試合だったなと思います」

 プレーヤーとしても十分な実力を持っていた。戸田は柏U-18では主将を務め、CBの中心選手として活躍。進学した筑波大では1年生の関東リーグ開幕戦に出場するほどの選手だった。

 そんな戸田だが、大学1年生の冬に大きな転機を迎えた。もともと大学選択の際も指導者の道を意識していたというが、早期の“現役引退”を決断。「選手としての限界を感じた。でも逆に言えば指導者としての可能性を感じた」。恩師や仲間らいろんな人に意見を仰ぐ中で、最後は自分で残りの大学生活を指導者としての準備期間に充てることに決めた。

 筑波大は登録上、小井土正亮氏が監督としてベンチ入りしている。ただ昨季も当時大学院生で学生コーチだった平山相太氏(現仙台大監督)が実質的な監督としての指揮を執っていた。戸田も新人戦を戦うチームなどを指導することでコーチングスキルを磨き、最終学年を迎えていた今季、トップチームの指揮を任されることになった。作戦や選手起用まで、基本的には戸田がすべて決めているという。

 同学年で今季の主将を務めるDF福井啓太(4年=大宮U18)は、すでに監督としての貫禄のようなものが備わっていると話す。「不満は全くない。話が上手くて、ミーティングも凄い。コーチと選手の関係もしっかりとできているし、同じ学年ではありますけど、尊敬しています」。同期として接する場面は当然あるが、サッカー面ではしっかりと線が引けているようだ。

 そんな戸田だが、この日は特別な思いがあることを見せないわけにはいかなかった。11年前も筑波大は日立柏サッカー場で柏レイソルと対戦しているが、当時小学生だった戸田少年は、風間八宏氏が筑波大監督時代に立ち上げたサッカースクール「トラウムトレーニング」に所属していた関係から、筑波大の応援席で試合を観戦していた。

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