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堅固なディフェンスと、ここぞの「一刺し」を狙うメンタリティ。福岡の初出場校、福岡大若葉が初陣白星で3回戦進出

ゲキサカ / 2024年7月29日 14時18分

「阪南が5バックで来て後半勝負の考えを持っているのがわかったので、こちらが前半から感情的になって走ってバリバリ仕掛けてしまうと、こちらが先に消耗してしまう。ボールを動かして、相手を走らせることを意識させた。DFの選手にもオーバーラップしていくより、パスで行けという話をした」

 あえてローの展開に持ち込む。東福岡高との試合を映像で観ていたという阪南・濵田監督が「(福大若葉は)もっと仕掛けてくるものだと思っていた」と振り返っていたが、これは普段のプレーが出せなくなっていたというわけではなく、織り込み済みの作戦だった。

 その上で、「勝負どころ」と見据えていたのは、後半に相手の攻勢を受けて耐えることになる時間帯。「そこで体力的に消耗していることがないようにした」(杉山監督)。相手に連戦の疲れがある中で、受けて立つ展開ならば分があると予測できたのは、守備全体に対する確か評価と、GK森惺舞(3年)への「彼がいるからPK戦は勝てると皆が思っている」という絶対的な信頼だ。

 サガン鳥栖U-15時代も全国大会のPK戦でビッグプレーを見せている森は、高校に入ってからもPK戦で実力を発揮。今年の新人大会でも東福岡を破る原動力になっており、この日も堂々とゴールを守った。

「(コースを)読むのは得意」と語るように、1本目から相手のシュートに反応すると、4番手のキッカーのシュートを見事にブロック。「際どいコースより威力を意識したシュートだったと思う」というボールを、しっかり弾き出した。結局、阪南5番手のキックが枠を外れたことで、ゲームは決着。1-1からのPK戦を制した福大若葉が全国初勝利となった。

 セーブした瞬間は「気持ち良かったです」と笑った守護神は、「みんなで守ってみんなでカウンターというサッカーをずっとやってきた」と今後もチームのスタイルを貫いての戦いを誓う。

 杉山監督は「福岡でも主導権を握られる展開は経験してきた」と言いつつ、「攻める時間が少なくなっても、そこで一刺しするための勝負勘、ここ勝負というときのメンタリティ」を大切にしてきたことを明かす。

 頼れる守護神を擁する堅固なディフェンスと、ここぞの「一刺し」を狙うメンタリティを持つ福岡の新鋭。全国舞台への挑戦は始まったばかりだが、旋風を起こせるだけのポテンシャルは間違いなく持っている。

(取材・文 川端暁彦)


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