青森山田が活かした「1年前の教訓」。冷静に失点ゼロを徹底、PK戦で矢板中央を振り切る
ゲキサカ / 2024年7月31日 6時13分
[7.30 総体3回戦 青森山田高 0-0(PK5-4)矢板中央高 JヴィレッジP2]
青森山田が「昨年の教訓」を活かして8強入り――。30日、令和6年度全国高校総体(インターハイ)男子サッカー競技(福島)3回戦が行われ、青森山田高(青森)が3年ぶりの準々決勝進出を決めた。矢板中央高(栃木)と対戦した青森山田は0-0で突入したPK戦を5-4で勝利。31日の準々決勝で帝京長岡高(新潟)と戦う。
「みんながハードワークして、去年の教訓を活かして、イケイケにならずにゼロでいけたっていうのが大きかったかなと思います」と青森山田・正木昌宣監督。70分間を無失点で終え、「かなり何か月も掛けて練習をやってきていた」というPK戦で矢板中央を上回った。
活かした「1年前の教訓」
青森山田は今大会3試合目。CB伊藤柊(3年)、MF長谷川滉亮(2年)と主力2選手を欠く中での3回戦だ。GK松田駿(2年)、DF小沼蒼珠主将(3年、U-17日本高校選抜候補)、矢部翼(3年)、山口元幹(3年)、福井史弥(2年)、MF川口遼己(3年)、谷川勇獅(3年、23年U-17日本高校選抜候補)、別府育真(3年)、大沢悠真(3年)、FW石川大也(3年)、浅野瑠唯(3年)の11人で試合をスタートした。
一方、シード校で2回戦から登場の矢板中央は、3年連続の8強入りを懸けた戦い。GK藤間広希(3年、U-17日本高校選抜候補)、DF岡部秀裕(3年)、佐藤快風主将(3年)、小倉煌平(3年)、MF井内哲心(3年)、中島漣音(3年)、田中晴喜(3年)、外山瑛人(3年)、平野巧(2年)、渡部嶺斗(3年)、FW山下魁心(3年)の先発11人で昨年度の選手権、プレミアリーグ王者に挑戦した。
互いに強固な守りを特長とする両校の戦いは、“予想通り”堅いゲームとなった。注目の立ち上がりはまず矢板中央に勢い。PAまで攻め込むが、青森山田もすぐに押し返し、速攻、セットプレーで相手ゴールに迫る。
自然と浮き球での競り合いが増加。互いにボールを落とさず、前へ飛ばし合う。また強度の高いセカンドボールの攻防。ともにボールへの執着心が強く、球際で絶対に引かない。そのため、青森山田の2選手に鼻血も。試合を通して激しいバトルが続いた。
藤間の高精度キックや、攻守で存在感を放った小倉の持ち運びも交えて前進する矢板中央は前半26分、切り札の155cmドリブラー、FW堀内凰希(3年)を投入。対する青森山田は川口の質の高いキックや小沼のロングスローで相手にプレッシャーをかける。
青森山田右SB小沼蒼珠主将はロングスローで相手にプレッシャーをかけた矢板中央のDF佐藤快風主将は身体を張った攻守でチームを鼓舞矢板中央DF小倉煌平は強度の高い守備と攻撃面でもチームに貢献
後半開始からDF永井健慎(2年)を加えた矢板中央は後半8分、相手FKのカウンターから堀内が左サイドをドリブル突破。外山のスルーパスから山下が左足シュートを枠へ飛ばす。これは青森山田GK松田が冷静に対応。青森山田は直後の相手CKから岡部に放たれたシュートをCB山口がブロックし、さらに相手DF佐藤の折り返しから堀内に押し込まれそうになった一撃も、ゴールカバーしたMF谷川が身体を投げ出して足に当てる。
後半9分、矢板中央の決定機で青森山田MF谷川勇獅(右端)がスーパークリア
正木監督が「やっぱりあれが、ウチらしいのかなっていう気がする」と評した伝統の“ゴールを隠す”守備。また、矢部が空中戦で再三高さを発揮するなど堅い守りを継続する。だが、小沼のインターセプトからの速攻やセットプレーからゴールへ迫るも相手の“闘将”DF佐藤や空中戦で強さを発揮する田中、そして本来攻撃的なMF外山も守備意識高く守るなど立ちはだかった矢板中央の赤いユニフォーム。小沼は「(矢板中央伝統の)“赤い壁”ってほんとにあるんだなって。ほんとにそれぐらい分厚くて、こじ開けるのが大変でした」と振り返るが、昨年の教訓を持つチームは慌てなかった。
青森山田CB矢部翼は高さを発揮し続けた
青森山田は前回大会3回戦で優勝校・明秀日立高(茨城)に0-1で敗戦。攻め続けながらもゴールを破れず、後半35+3分に一瞬の隙を突かれてカウンターから失点している。1年前、その姿をベンチから見ていた小沼は、「クーリングブレイクのベンチだとか、ハーフタイムの時とか、『去年と全く同じ状況だぞ』って常に伝えていました。(個人的には)オフ(・ザ・ボール)の徹底とか、やっぱ攻め急いでる時に自分は常に冷静でいました」と説明。1年前のことを全員で共有し続け、絶対に失点しないことを徹底した。
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