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真夏の全国を彩った鮮やかな快進撃!「個を育てる」福岡U-18が見る者に残した強烈なインパクト

ゲキサカ / 2024年7月31日 12時0分



「自分たちはやらなくてはいけないことをしっかりやれるチームで、プリンスリーグから守備を構築してきて、全国大会でも格上の相手にそれがしっかり出せていた分、最後に失点してしまった悔しい想いは非常に大きなものがあります」。試合後。取材エリアに出てきた池田獅大は、まっすぐな視線で語り出す。

 キャプテンがこの大会で一番成長を実感したのは、“勝ち切る力”だったという。「正直、普段はなかなか対戦できないようなレベルの高いチームばかりなので、先制される試合もありましたし、それこそベガルタ戦では1人退場するシーンもあったんですけど、その中でも勝ち切る勝負強さは本当に成長したところかなと思います」。この日はPK戦で決着が付いたものの、80分間のスコアは1-1。気付けばチームは強豪相手にも臆さず、互角に渡り合えるだけのメンタルを身につけていた。

 福岡U-18で際立ったのは、それぞれの選手が打ち出す個性だ。とりわけ2トップは強烈なコンビ。前田は川崎F U-18の守備陣を単騎で切り裂き、あわやというシュートを放つなど、常に個の脅威を突き付け続け、FWサニブラウン・アブデルハナン(3年)も圧倒的な走力でピッチを駆け続ける。また、10番を背負うMF楢崎佑馬(3年)も落ち着いたゲームメイクとプレースキックで存在感を発揮した。

 さらに1年生アタッカーのMF武本匠平は、年代別代表で世界の舞台も経験している相手のサイドバックをぶっちぎって、クロスを上げるシーンも。「僕もサイドハーフだったので、武本への要求はメチャクチャ厳しいですよ」と笑った久永監督は、自身が携える個の育成への信念をこう続ける。

「もちろん僕のサッカー観もありますけど、クラブのフィロソフィーとして『個を育てる』という部分で、やっぱりプロ選手を育てる機関なので、個人の長所を生かした組み合わせを今シーズンは構築できているのかなと。僕もこのクラブにずっといたので、『こういう選手を育てるべきだな』という考えもある中で、去年からアカデミーに入って、マネジメントグループとも『こういう選手を育成していこう』と話しながら、自分のサッカー観の幅も増えたので、やりがいはありますね。ユースの子たちの成長は面白いです」。

 印象的なシーンがあった。川崎Fサポーターの元へ向かった福岡U-18の選手たちは、挨拶を終えるとほとんどの選手がその場を立ち去る中で、池田獅大は最後まで自分たちに送られるエールを聞き届けてから、深々と一礼して、チームメイトの元へと戻っていった。

 そのキャプテンの決意が力強く響く。「この大会を経験して、より一層プレミアに上がりたくなりましたし、来年は自分たちの後輩をその舞台で勝負させたいという想いが非常に強くなったので、残りのプリンスも全勝するぐらいの勢いで、守備も攻撃も一段階レベルアップしていきたいと思います」。

 真夏の全国大会を鮮やかに彩った、若き博多の男たちの躍動。大きなインパクトを見る者に残した福岡U-18の堂々たる快進撃に、大きな拍手を送りたい。

川崎Fサポーターのエールを最後まで聞き届ける池田獅大。キャプテンらしい堂々とした振る舞いだった

(取材・文 土屋雅史)
●第48回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)特集

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