U-17W杯のメンバー入りを逃した悔しさは忘れていない。U-18日本代表DF斉藤秀輝(大宮U18)が掴んだ確かな自信と大きなモチベーション
ゲキサカ / 2024年8月26日 19時53分
「ワールドカップのメンバーに選ばれなくて悔しかった部分もありますし、正直『ケガがなければ入れたんじゃないかな』という想いはありましたね。やっぱりケガをしてしまうとプレーできなくなるので、ストレッチとかそういうケアへの意識は変わりました」。
自分の中で意識改革に着手してから、初めての代表活動。果たすべき役割もきっちり整理してピッチに立つ。「少し後ろに落ちて相手を引き出して、前にボールが入ったら自分も上がっていくということを意識していた中で、得点に繋げることはできなかったですけど、自分が走って、その空いたスペースをチームで使ってもらうことも継続して意識できたので、良かったかなとは思います」。
以前の代表遠征で感じた課題も、この大会で生かすことができたようだ。「守備の球際の部分や間合いの詰め方は、それこそ土屋(櫂大)が上手いなと感じたんですけど、自分も昔代表の遠征でパラグアイに行った時に、守備の対応が課題だったので、その時の経験を生かして、今大会では良い守備ができたかなと思います」。
後半18分にDF柴田翔太郎(川崎F U-18、3年)との交代でベンチへと下がったが、フル出場を果たした初戦のU-18韓国代表戦を含めて、攻守に一定の手応えを掴んだ今回の代表活動が、斉藤にとって今後への小さくないモチベーションに繋がっていくことに疑いの余地はない。
今シーズンは春先に2種登録されているトップチームの練習にも参加。プロの世界で揉まれる選手たちと同じ空気を吸った経験は、自分にできることとできないことを見つめ直す貴重な機会となった。
「攻撃の中では通用する部分もありますし、特に攻撃の時のランニングは通用するかなという印象はありました。ただ、強度のところで足りない部分があるので、そこはもっと練習からやっていかないといけないかなと思っていますね。まだ守備がしっかりできないので、そこはもっとこだわってやっていかないとなと思います」。
「去年(市原)吏音くんがJリーグデビューを果たしているので、自分もJリーグに出場するという目標を持ちつつ、やっぱりプレミアでも勝たないと評価されないと思うので、1試合1試合勝ちにこだわっていきたいと思います」。より高い目標を見据えつつ、まずは目の前のやるべきことをやり通す。そのマインドは代表でも、所属チームでも何ら変わるところはない。
中心選手として戦う大宮アルディージャU18は、プレミアリーグでも残留争いに巻き込まれているが、今回の代表活動で得たものをチームへと還元する準備は、もう十分に整えている。
「今のチームはプレミア残留が目標なので、こういう経験をチームでのパフォーマンスに繋げないといけないですし、練習からバチバチやっていきたいなと思います。1対1の強度で違いをしっかりと見せ付けていきたいですし、代表だとパス練習でも息が上がったりすることもあるので、それは自チームでも意識しつつ、そういうことを全体に共有しながらやっていきたいと思います」。
いろいろな場所で積み重ねてきた経験は、すべてが大事な成長の種になる。ダイナミックに攻守へ関われる、若きオレンジ軍団を牽引する右サイドバック。斉藤秀輝は自分に任されたエリアで圧倒的な違いを見せ続け、よりシビアで刺激的なステージへとトライし続ける。
(取材・文 土屋雅史)
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