「すごくシンプル」なサッカー競技規則でポイントとなる“精神”…JFA審判委が伝えるレフェリング方針
ゲキサカ / 2024年9月12日 14時39分
日本サッカー協会(JFA)審判委員会は11日に都内でメディア向けレフェリーブリーフィングを開催し、競技規則に規定されていない事象への対応について「競技規則の精神」をもとに審判団が判断していることを示した。
今回のレフェリーブリーフィングでは最初のトピックとして、FC町田ゼルビアのFW藤尾翔太がPK前にボールへ水をかける行為が扱われた。佐藤隆治JFA審判マネジャーはジュビロ磐田戦で主審がボールの交換を命じたことを支持しつつ、根底には「フェアにゲームを運営していく」という考えがあることを強調。審判員それぞれにさまざまなゲームコントロール手段があることを伝え、「最後はレフェリーの裁量」と現場の判断に委ねた。
こういった方針の背景には、サッカーならではの競技規則がある。佐藤氏は以下のように述べた。
「サッカーの競技規則ってすごくシンプルで、だから皆さんに受け入れられやすいというか、世界でナンバーワンと言われる人気のあるスポーツ。それはやっぱり分かりやすさ、17条しかない。そこには一つ一つの事象に対して『こういったことはしていいんですよ』と、『そういうことはダメなんですよ』とは書かれていない」
その中で審判員がジャッジを下す基準になるのが、1条から17条までに規定されている規則と、佐藤氏が「フェアに安全でお互いに公平」と示す競技規則の精神になる。実際、競技規則にも「発生し得るであろうすべての状況に対して言及することはできないので、 具体的事象についての規定はない」とあり、「審判が競技と競技規則の『精神』に基づき判定を下すよう求めている。これにより、しばしば『サッカーは何を求めているのか、何を期待しているのか』といった質問を投げかけられることになる」と記されている。
佐藤氏は明文化されていない事象に対応するため、審判員が「フットボールアンダースタンドとか、フットボールエクスペクテーションとかそういったものを学んでいる」と話す。こういったテクニカル面とは異なる分野を強化する方法として期待されているのが、今季ドイツやイングランドなど複数の国から審判員を招聘し、今月にはメキシコとカタールから主審が来日する交流プログラムだ。
「国によって大陸によっていろんな考え方があるし、多分ラテンの国はもっといろんなことが起きている。そういったものを情報交換することで、僕らもそうですし、現役審判員のレフェリングの幅といったものを身につけたい。それを今年多くの海外のレフェリーが日本に来てくれて、Jリーグがサポートしてやってくれている」
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