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軸に据え直したのはどんな状況でも「折れない心」。川崎F U-18にウノゼロで競り勝った前橋育英の逆襲はここから始まる!

ゲキサカ / 2024年9月17日 12時22分


 昨季のチームのラストゲームとなった、高校選手権2回戦の神戸弘陵戦に出場していた選手が8人残るなど、一定の経験値を有する顔ぶれの揃った今年の前橋育英は、周囲からの期待を集めていたものの、いきなりプレミアで開幕3連敗を喫すると、インターハイ予選では準決勝で共愛学園高にPK戦の末に敗退し、県連覇が6でストップ。ここまでは想像していたようなシーズンを送れていないのが現状だ。

 この夏は10泊11日の合宿も敢行し、改めて自分たちの足元を見つめ直してきたという。「他のインターハイに出ているチームが全国を戦っている中で、自分たちは合宿とか練習をしているだけで、『オマエら、全国に出れていないんだぞ。逆にこの期間に何ができるんだ?』という問いかけを監督からされました」(オノノジュ)。それぞれの選手が自分のストロングとウィークを洗い出し、改善点を真摯に突き詰めていく。

 キャプテンの石井は夏休みの期間で得られたものに、手応えを掴んでいるようだ。「5つの原則をもう1回見直しました。どんな試合でもその5つの原則は発生する部分なので、それをみんなで求め合ったり、厳しくするところは厳しく言い合ったので、そこをしっかり見直すきっかけになったかなと思います」。

「もちろんインハイに出られなかったことは、チームにとっても応援してくれている人たちにとっても残念な結果で、個人としても凄く責任を感じることでしたけど、しっかりとバネにしてやっていかないとその負けが無駄になってしまうので、そこをネガティブに捉えず、良い方向に持っていくことを意識していたので、今は良い方向に持っていけているかなと思います」。それだけに重ねた努力の意味を実感する意味でも、とりわけこの日の勝利が重要だったことは言うまでもないだろう。

前橋育英を束ねるキャプテン、MF石井陽

 加えて山田監督は、チームの競争力が高まってきていることも指摘する。「夏は競争が一番でしたね。いろいろな子をいろいろなポジションで試したりして、その結果として陽が出てきたと。あの子は効いていますよ」と言及したように、前節の昌平戦でプレミアデビューを飾った鈴木陽は、強力アタッカー陣の揃う川崎F U-18相手にも十分対抗。勝利の一翼を逞しく担ってみせた。

 石井も鈴木の存在がチームに与える影響を、ハッキリと感じているという。「陽はプリンスに出ていた時からしっかりゲームを締めてくれる役割をしていたので、そこを前節も今節もしっかり発揮できていたことで、徐々にみんなからも監督からも信頼を掴んでいるんじゃないかなと。下のカテゴリーから良い選手がどんどん出てくると、もともとプレミアにいた人も刺激になりますし、良い競争にもなると思うので、チームの活性化に繋がるなと思いました」。新戦力の台頭と既存戦力の意地が、グループの総合力を引き上げていく。

完封勝利に貢献した前橋育英の新戦力、DF鈴木陽

 今年のチームに残された時間は、長くても4か月あまり。石井がみんなで共有した決意をきっぱりと口にする。「もう残るはプレミアと選手権だけなので、育英として最高の結果を残すために、1試合1試合、ワンプレーワンプレーにしっかりこだわって、チーム全体で1つになって、良い結果を掴んでいきたいなと思っています」。

 どんなに苦しい状況になっても、どんなに厳しい現実を突き付けられても、このチームの軸に据えるべきは『折れない心』。勝利を義務付けられた上州のタイガー軍団が、その真価を問われるのはまさにここから。2024年の前橋育英が真剣に狙う逆襲は、果たしてどこまで。



(取材・文 土屋雅史)
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