悩めるエースの今季リーグ戦初ゴールが劇的決勝弾!「イチフナのあるべき姿」を改めて見つめ直した市立船橋は絶対に諦めない
ゲキサカ / 2024年9月18日 12時35分
第14節で対峙するのは、彼ら同様に残留争いを強いられている大宮アルディージャU18(埼玉)。両者の勝点差は3。11位と12位が激突する、正真正銘の“シックスポインター”。勝利しか許されない重要過ぎるビッグマッチだ。
両チームが慎重に立ち上がった一戦は、15歳のゴラッソがゲームを動かす。前半30分。DF岡部タリクカナイ颯斗(3年)がディフェンスラインの背後にフィードを蹴り込むと、エリアを飛び出した相手GKのクリアはMF高山大世(1年)の目の前へ。躊躇なく右足で蹴り込んだロングシュートが、無人のゴールネットへ鮮やかに吸い込まれる。リーグ初スタメンの1年生が大仕事。市立船橋が1点のリードを奪う。
MF高山大世が完璧なロングシュートで先制ゴール!
後半はホームで負けられない大宮U18がアクセルを踏み込むが、「相手にずっと攻められてメッチャキツかったですね」と振り返る岡部にDF篠崎健人(1年)、DF井上千陽(3年)で組んだ3バックに加え、右のMF金子竜也(3年)、左のMF渡部翔太(3年)の両ウイングバックも時には最終ラインまで下がり、5バックも辞さない構えで、1つ1つ相手の攻撃を凌いでいく。
だが、試合はそう簡単に終わらない。39分。金子の横パスをかっさらわれた流れから、大宮U18の10番を背負うMF菊浪涼生(3年)が中央をドリブルで運び、完璧なミドルから同点弾をゲット。最終盤に差し掛かったタイミングで、スコアは振り出しに引き戻された。
金子は市立船橋にとって特別な選手だ。ここまでリーグ戦では全試合に出場し、献身的なプレーで苦しいチームを支え続けてきた。中村コーチは「チームを常に鼓舞してくれる原動力になってくれる選手です」と称賛し、FW久保原心優(3年)も「金子はいつも誰よりも頑張っているので、本当に尊敬できる部分が多いんです」という言葉を口にする。失点は間違いなく痛かったが、この日の選手たちは下を向くことなく、再びファイティングポーズを取り直す。
「試合が始まる前とハーフタイムに伝えたことなんですけど、結局自分たちの力を発揮する時に何が一番大事かというと、仲間のためにやることだと。日中は自分たちの試合だったのに、わざわざここまで駆け付けてくれてスタンドから応援してくれたチームメイトとか、スタンドにも保護者の方、スポンサーの方も来てくださっていて、そういう方々のためにプレーするんだと、走るんだと、表現するんだと。そういうことが絶対に力になるし、そういう力を最大限に発揮できる可能性を高めてくれるという話をしました」(中村コーチ)
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