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悩めるエースの今季リーグ戦初ゴールが劇的決勝弾!「イチフナのあるべき姿」を改めて見つめ直した市立船橋は絶対に諦めない

ゲキサカ / 2024年9月18日 12時35分

自分たちの試合を終えてから仲間の応援に駆け付けた市立船橋の選手たち

 45+2分。井上が投げたロングスローの流れから、MF左近作怜(2年)が右クロスを上げ切ると、悩める10番が宙を舞う。「自分はファーで待っていて、クロスはちょっと高かったんですけど、もう決めるしかないという感じでした」(久保原)。懸命のヘディングで枠へ収めたボールは、GKの手を弾いてゴールネットへ到達する。

 久保原は苦しんでいた。前節までのリーグ戦で記録した得点数はゼロ。「とにかく決まらないというか、『運が悪いな』とも思っていましたね。チャンスが少ないというのもあったんですけど、『本当に入らないんだな』というのが多くありました」。決定的なフィニッシュがポストやバーを叩いたり、GKのファインセーブに阻まれたのも一度や二度ではなく、時には説明の付かないようなシュートミスも。ゴールの女神にそっぽを向かれ続けていたのだ。

今季リーグ戦初ゴールを挙げた市立船橋のエース、FW久保原心優

 そんなエースが土壇場で叩き出した今シーズン初ゴールは、そのままこの試合の決勝点に。「やっと初ゴールということもあって嬉しかったですし、自分はいつも『何か1つでもチームを助けられることをしよう』と思っているので、今日は自分がチームと金子を助けられて良かったなと思っています」(久保原)。試合後のスタジアムには、劇的な勝利を手にした市立船橋の“勝ちロコ”が轟いた。


「この一戦に負けるか勝つかで大きく違うゲームだったので、そこで3年生が失点に絡んだ中で、3年生が助けてくれたというのは、チームにとっても凄く良い形で終われたかなと思います」。“シックスポインター”を制した試合後。中村コーチは90分間の激闘を総括しながら、改めて『イチフナのあるべき姿』のイメージをこう教えてくれた。

「育成年代とはいえ、やっぱり勝つことですね。いろいろな方が応援してくれていて、いろいろな方がサポートしてくれて、それに対してただ自分たちのサッカーをやればいいということではなくて、やっぱり見ている方たちに勝利を届けると。あとは僕らのミッションでもある『感動を与える』という部分で、イチフナの3原則でもある『球際でしっかり戦うこと』『切り替えを速くやること』『誰よりも走ること』でしっかり表現しようねという部分は凄く伝えました」。

 依然としてプレミアの順位は最下位ではあるものの、間違いなく浮上の兆しは見え始めている。もう勝ち続けるしかないチームがここから目指すべき地点を、キャプテンの岡部はこう語ってくれた。

「プレミアに関しては、ここで満足しているようでは絶対に残留できないと思いますし、今の僕たちがプレミアでできているのは先輩たちのおかげなので、今の1,2年生のためにも、毎週毎週練習から細かいことにこだわってやっていかないといけないと思います。あと、選手権に関しては去年を経験している人も何人かいる中で、県予選も簡単ではないですし、全国に出ることや国立に行くことがどれだけ嬉しいことで、どれだけ大変なことかはわかっている分、今のうちから必死にやっておかないと勝てないと思うので、もっと自分がチームを引っ張って、頑張っていきたいと思います」。

 見つめ直したのは、自分たちのあるべき姿。諦めない。どんな状況にあったとしても、この看板を背負っている限り、絶対に諦めない。何度も逆境を跳ね返してきた市立船橋の真価が問われるのは、まだまだここからだ。



(取材・文 土屋雅史)
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