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[国スポ少年男子]前半劣勢も後半の35分間で成長、可能性を広げた福岡県。V候補・東京都をPK戦で破り、2015年以来の準決勝進出!

ゲキサカ / 2024年9月24日 8時25分

 だが、前半に比べると落ち着いてボールを保持する時間が明らかに減少。相手の前に強いMF坂本やCB藤川に跳ね返され、DF背後への攻撃もCB落合に対応されていた。一方の福岡は鶴元、武本の両SHのスピード、テクニックを活かした攻撃などから勝ち越しのチャンスを創出。25分には細入が前線で潰れ、抜け出した前田が左足を振り抜く。だが、東京GK渡邊がファインセーブ。福岡は31分にも本多の攻め上がりから前田がファーポスト直撃の左足シュートを打ち込んだ。

 終盤は互いに攻め合う展開。東京は存在感を放つ今井がボールに係わり、右SB西澤や友松がクロスへ持ち込む。35+2分には友松の右クロスに川村が飛び込むも枠左へ。直後の35+3分、福岡は野上に代えて“PKセーバー”のGK田中利玖(福岡U-18、1年)を投入した。

 1-1のまま後半終了。PK戦は4-4で迎えた5人目、先攻・東京のシュートを福岡GK田中が左へ跳んでストップする。福岡は1人目の落合から細入、藤川、武本が決め、5人目は鶴元。右足シュートでゴール右を破り、歓喜を爆発させた。
PK戦5人目、福岡GK田中利玖(福岡U-18、1年)が止める福岡の5人目、MF鶴元銀乃介(飯塚高、2年)が右足で決めて決着
 福岡の藤江監督は、「(福岡県選抜が掲げてきた)『福岡発世界へ』っていう思いと、相手というよりも自分たちの可能性をもうとにかく広げていって、ということをチームとしては掲げながら、さらに今年のコンセプトとしては、献身的にやるということと、誠実に取り組むということ、そして全てのことに感謝をして過ごすということ、ここを大事にしながら、1人1人のレベルアップをしていきたい」。この国スポは、決勝・3位決定戦の行われる最終日まであと2試合。また成長するチャンスを掴み取った選手たちは、スタッフやサポートメンバー、応援してくれる人たちへの感謝の思いを持って残り2試合、優勝を目指して戦う。

 福岡は2015年大会で初優勝しているが、当時は神奈川県との同点優勝だった。チームは「福岡でまだ誰も見たことのない景色を見よう」という目標を掲げて活動をスタート。落合は「日頃からスタッフの皆さんに感謝しようっていうのは言ってるんですけど、そこは全員がほんとに思っているところが今日出たのかなって思います。(これから、)いい2日間過ごしたい。準決勝も引かずに自分たちの良さ出せば絶対に負けないと思うんで、そこです」と力を込めた。準決勝の対戦相手は広島県。強敵を再び乗り越え、最終日に「福岡でまだ誰も見たことのない景色を」見る。 
福岡が準決勝進出
(取材・文 吉田太郎)

●第78回国民スポーツ大会特集

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