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2か月前に流した悔し涙は忘れていない。リベンジマッチに挑む横浜FCユースMF中台翔太が劇的同点弾で引き寄せた『三ツ沢の奇跡』

ゲキサカ / 2024年9月25日 18時9分

劇的同点弾を叩き出した横浜FCユースMF中台翔太(3年=横浜FCジュニアユース出身)

[9.23 プレミアリーグEAST第15節 横浜FCユース 3-3 FC東京U-18 ニッパツ三ツ沢球技場]

 7月23日。陽が傾き始めた夕刻の宮崎。試合が終わると、悔し涙が止まらなかった。

 『第48回 日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会』のグループステージ第2戦。横浜FCユース(神奈川)は同じプレミアリーグEASTに所属するFC東京U-18(東京)と対戦。試合は前半8分に先制ゴールを奪ったFC東京U-18がそのまま1-0で勝利したが、横浜FCユースの11番を背負うMF中台翔太(3年=横浜FCジュニアユース出身)は唯一の失点に繋がった自身のボールロストに、大きな責任を感じていた。

「クラブユースの時の失点は自分が奪われて、カウンターを食らっての失点だったので、本当に凄く悔しくて、試合のあとに泣いたんです。それもあって、今回は絶対にやらないといけないという気持ちがありました」。自らのミスでグループステージ敗退を突き付けられたあの日から、ちょうど2か月後に再びFC東京U-18と激突するリベンジマッチ。中台は並々ならぬ決意を携えて、三ツ沢のピッチに足を踏み入れる。


「今日は後ろ向きなプレーはやめて、『全部前に行く!』みたいな気持ちでやりました」。右サイドハーフに入った中台の選択肢は、常に前へ。サイドバックを務めるキャプテンのDF小漉康太(3年)との連携も交えながら、タッチライン際の主導権をじわじわと引き寄せていく。

 チームも立ち上がりから積極的な攻撃姿勢を貫くと、29分には小漉のスルーパスからFW庄司啓太郎(3年)が先制ゴール。41分にはMF朝見友樹(3年)、庄司と繋いだボールから、中台にも決定機が到来。左足で放ったシュートは相手DFにブロックされたものの、結果への強い意欲を滲ませる。前半のシュート数は10対0。最初の45分間はホームチームが圧倒して、ハーフタイムへ折り返す。

 風向きが大きく変わったのは、後半のファーストピンチだった。2分。右サイドを崩されると、クロス気味のシュートはDFに当たってコースが変わり、そのままゴールネットへ吸い込まれる。「自分たちで『後半の入りはハッキリやって、失点なしで行こう』という話はしていたんですけど……」と中台も振り返ったが、この同点弾からアウェイチームは完全に息を吹き返す。

 9分にはオウンゴールで逆転弾を献上。さらに終盤に差し掛かっていた33分には、再び右サイドを突破された流れから3失点目。残り10分あまりで2点のビハインド。「正直天を仰ぐ感じで、『厳しいな』という想いはあったんですけど、諦めるわけにはいかないですし、『もう1点ずつ返すしかない』と思いました」(中台)。厳しい状況なのは百も承知。でも、この“聖地”での一戦で諦めるなんて選択肢は存在しない。中台は、チームは、改めて前を向き直す。

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