15歳がプレミアのピッチで痛感した1つのミスの意味。FC東京U-18MF北原槙が見据えるのは明確な結果とたどり着くべき目的地
ゲキサカ / 2024年9月26日 20時41分
ところが、前半は10対0というシュート数が表すように、圧倒的なホームチームのペース。北原も懸命にボールを引き出しては、リズム創出に奔走したものの、FC東京U-18は29分に先制点を献上。1-0というスコア以上の差を見せ付けられる格好で、最初の45分間は経過していった。
迎えたハーフタイム。改めて統一し直したのは、アタッカーたちのボールを受けるポジショニングだ。「トップ下の選手とトップの選手と話して、『もう少し自分たちが出しやすい場所へ落ちてくれ』とか、センターバックが当てた後の反応を共通認識として話しました」(北原)。もうやるしかない。巻き返しを誓って、後半のピッチへと走り出す。
後半開始早々の2分。MF高橋裕哉(2年)のゴールで同点に追い付くと、9分には中盤でボールを収めた北原が、右へ丁寧なサイドチェンジをピタリ。受けたMF菅原悠太(2年)のパスからDF田中遥大(1年)が上げたクロスはオウンゴールを誘発する。起点となったのは15歳の視野の広さ。2-1。スコアは引っ繰り返る。
34分にはスペースを見つける才覚を披露する。細かいパス交換から左サイドでボールを持った北原は、半身の状態から相手サイドバックの裏へフワリとした浮き球を供給。走った高橋が中央へ折り返し、FW山口太陽(3年)のシュートはGKに阻まれるも、詰めたFW浅田琉偉(3年)がゴールネットを揺らす。ここも15歳のスルーパスが呼び込んだ追加点。3-1。点差が広がる。
だが、プレミアで首位争いを演じる難敵は一瞬の隙を見逃さない。45+1分。ピッチ中央でボールを持った北原がかわそうとしたマーカーにボールを奪われると、そこから左サイドへと展開され、クロスをヘディングで叩き込まれる。さらに45+4分にも再び左クロスから同じような形で失点。ファイナルスコアは3-3。ほとんど掴みかけていたFC東京U-18の勝利は、するりとその両手からこぼれ落ちた。
試合後。北原は開口一番、2失点目のシーンについての反省を語り出す。「あとはゲームを締めるだけというところで、自分のミスから失点してしまって、その流れから3点目を決められて同点になってしまって……。あの失点に繋がったプレーさえなければ自分の出来も悪くはなかったと思いますし、今日は勝てる試合だったのに、自分のミスで本当につまづいてしまったなと思います。凄く悔しかったです」。
ベクトルはしっかりと自分に向けられる。味わった悔しさは、さらなる成長への糧になる。試合に出ているからには、先輩たちと同様に勝敗の責任を担っている自覚も、十分に自身の中へ刻み込んでいるようだ。
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