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[MOM988]立正大MF吉野陽翔(4年)_「今年こそ昇格」“6ポイントゲーム”で待望今季初ゴール‼立正大から栃木入団は4年連続

ゲキサカ / 2024年10月2日 18時24分

立正大のMF吉野陽翔

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[9.29 関東大学L2部第15節 慶應義塾大1-3立正大 慶應義塾大学下田グラウンド]

 待望の今季初ゴールが勝利をグッと引き寄せる得点になった。2-1と1点差とされて後半に折り返した立正大は21分、左サイドのCKをMF宮崎海冬(4年=帝京高)が蹴ると、MF吉野陽翔(4年=栃木U-18/栃木内定)が打点の高いヘディングで合わせて、追加点を奪った。

 首位・慶應義塾大と勝ち点差6で迎えた“6ポイントゲーム”。優勝争い、昇格争いに踏みとどまるためにも負けられない試合であることは選手全員が分かっていた。「守備のはめ方に重きを置いて、この一週間はみんなで慶應対策に取り組んできた。セットプレーにも重きを置いてやってきたので上手くいってよかったです」。吉野も会心の勝利に笑顔を弾けさせた。

 吉野の栃木SCへの入団内定は、昨年末の12月21日に発表になった。小学校6年生から高校を卒業するまでをアカデミーで過ごしたクラブへの帰還。「プロで早くやりたいという気持ちと、ずっと栃木SCに行きたいという思いが強くて決断しました」。オファーは二つ返事で快諾した。

 憧れる選手がいる。アカデミーの先輩で、大学経由で栃木入りし、現在ベルギー1部のルーベンに所属するMF明本考浩だ。年齢で5歳年上になる明本たちの世代をずっと憧れてみていたという吉野。「ちょうど友達のお兄ちゃんの代というのもあって、僕もああいう選手になりたいなと思ってずっとお手本にしてきた。自分もどんどん上に行って、海外でプレーできる選手になっていきたいと思います」。

 また立正大からは奇しくも、4年連続で栃木加入選手が生まれることになった。「特に意識はなかった」という吉野だが、MF神戸康輔、DF平松航、MF青島太一と再び同じユニフォームを着れることに、「たまたまこういう形になったけど、また一緒にやれることは嬉しいです」と“再共闘”を楽しみにしている。

 ただ現状の力不足も理解している。内定選手となった今年はチーム始動からキャンプまで帯同。Jリーグ開幕前には特別指定選手登録も済ませた吉野だが、これまで試合メンバーに絡むことはできていない。本職はボランチながら、栃木での登録はFW。「キャンプでも1列までプレーしてて、そこに苦労しながらも出てやるという気持ちでやっていたんですけど、結局ダメで」。ただ「正直、実力不足」と言い訳にすることはない。

 大学リーグ戦は残り7試合となった。吉野自身も大学生活をやり切って、プロの舞台に進む思いに気持ちを切り替えている。吉野が入学した21シーズンは関東1部をい戦った立正大だが、吉野が主力を務めた3年間は2部リーグを戦った。昨年は前半戦を首位で折り返して1部復帰が期待されたが、終盤に失速して昇格を逃した苦い思い出がある。「最近は練習から意識を高くやろうと選手同士でも話し合っている。今年こそは昇格したいです」。お世話になった母校への置き土産は必ずしてみせる。

(取材・文 児玉幸洋)
●第98回関東大学リーグ特集

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