0-1で敗戦も、かつての練習場でPKストップなど抜群のパフォーマンス。2年生GK松田駿は失点ゼロで青森山田を勝たせ続け、兄に続く高卒プロへ
ゲキサカ / 2024年10月15日 11時6分
[10.13 プレミアリーグEAST第18節 前橋育英高 1-0 青森山田高 前橋育英高校高崎G]
試合会場の前橋育英高校高崎グラウンドは、前橋FC時代の2年前まで汗を流していたトレーニング施設だった。GK松田駿(2年=前橋FC出身)が、青森山田高(青森)の2年生守護神として地元に帰還。前橋育英高(群馬)もMF石井陽主将(3年)、MF黒沢佑晟(3年)、CB久保遥夢(2年)と前橋FCのOBが先発した中、かつての恩師や旧友たちの前で成長した姿を見せつけた。
前半、DF裏へのボールを増やした前橋育英に対し、松田はPAから飛び出して処理。被シュート1、0-0で前半を終えると、後半19分に得点王争い中のFWオノノジュ慶吏(3年)のPKを「予測していて、駆け引きしながら左に跳ぼうと思っていました」と右手一本で止め切った。
この後も至近距離からのシュートや、ミドルシュートが枠を捉えたものの、松田は次々とセーブする。正木昌宣監督が「やっぱ動けるようになりました。1番は動ける。瞬間瞬間が速くなった」と認める2年生は、以前はまだ身体が重かったという。だが、古川大海GKコーチの指導の下で練習を重ねて足を運べるようになり、予測力も向上した。
その力をかつてのホームグラウンドで発揮。前橋育英は後半、計10本のシュートを放つも、応援団のため息や観衆からの「凄い」という声が漏れ聞こえてくるような展開となった。前橋育英の山田耕介監督も「(ボールを見送る動きなど、このグラウンドでプレーすることに)慣れているな、コイツなと。(松田に)やられるかなと思いました」と相手GKから1点を取ることの難しさを感じたという。
松田自身も「やっぱり2年前までずっと練習してたんで、懐かしいゴールとかで。このピッチもほんとにやりやすい環境だったんで、今日はやりやすい展開には持っていけたと思います」と振り返る。
だが、「PK止めて、ここで流れ変えられたらいいなと思ってたんですけど、その後すぐやられたんで、やっぱ足りなかったっていうか、自分がもっとそこでやっとけば良かったと思っています」。PKストップ後のピンチで持ちこたえていたものの、後半37分に痛恨の失点。CK後の混戦からオノノジュに右足シュートをねじ込まれた。
松田は「あそこで自分がもう1本止めてチームに流れを持ってこないといけないし、自分がもっと攻撃に貢献してチャンスが生み出せるようにプレーをしないといけなかったっていう風に思っています」と唇を噛んだ。失点後も松田はサイドからのラストパスに思い切ってアタックするなど好守を続けたが、青森山田は1点をもぎ取ることができず、0-1で敗戦。前期の対戦で1-1だっただけに、松田は強く白星を欲していたものの、それを勝ち取ることはできなかった。
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