夏は「100回に1回の試合」で勝利。試合経験を重ね、逞しく成長した秋田商が再び1-0で明桜の3連覇を阻止!
ゲキサカ / 2024年10月21日 12時32分
秋田商は明桜対策で先発起用された木村が前線で抜群の運動量を発揮するなど、連動した守備で相手の攻撃を限定。後方では長身レフティのCB塩寺が再三インターセプトしていた。また、籾山や佐藤が対人守備で相手選手にアタックし、小林監督が「相当が効いていました。いいところを見てたし」と評した塩も回収力を発揮。守備一辺倒にならず攻守で強さを見せていた1年生MF齋藤や諸澤を起点に攻め返し、前半22分には塩の左CKから諸澤がクロスバー直撃のヘッドを放った。
秋田商の中盤で効いていたMF塩遥音
奪ったボールを1タッチで繋ぐなど速攻。田近と村田の両ワイドも縦への仕掛けを見せるなど押し返す。主導権を握って攻める明桜も1タッチパスを縦に差し込み、テンポ良くボールを動かしながら相手ゴールを目指す。31分には左クロスを齊藤が頭で狙い、35分にも右クロスをファーの廣森が頭で合わせる。
明桜のエースFW廣森輝星はシュート5本を放った
だが、このシュートは秋田商GK鎌田が横っ飛びでキャッチ。明桜は庄司の運ぶドリブルや展開力に長けた近江谷のサイドチェンジでゲームをコントロールし、後半に存在感を増した高橋が左サイドを打開する。相手の苦しいクリアを拾って連続攻撃。廣森のシュートなどで相手にプレッシャーを掛けるが、秋田商は崩れない。
明桜の2年生MF高橋颯翔がシュートへ持ち込むが秋田商は集中した守りを継続
秋田商は後半19分、田近、諸澤、木村を安藤、MF鈴木周真(3年)、FW太田惇晴(3年)へ3枚替え。小林監督はこの意図について、「何かやらないと勝てない相手なんで。何か仕掛けるとなったら、交代の回数も3回と制限があるので、1度に流れを変えたいなと」。午前中の大雨から試合後半には天候が落ち着くという予報も決断を後押しした。試合当日にスタッフや主将の塩寺と相談し、テクニカルな鈴木らをより力を発揮しやすい環境で起用することを決定。交代組の3人にも勝負どころでの投入を伝えて準備させていた。
だが、明桜のプレッシャーは速く、秋田商はなかなか仕掛けるシーンを増やすことができない。明桜は22分に廣森をMF遠藤拓斗(1年)へ、35分には片岡と高橋をFW北川学(3年)と山本比優(1年)へ入れ替えた。ボールを保持し、主将の山口が中央から攻め上がるなど何とか相手の守りを破ろうとするが、秋田商は際の攻防に強く、明桜の砂金監督も「ゴール前が堅かったですね。シュートブロックっていうところは、そこはやっぱり凄いなと思います」と認めていた。試合は0-0のまま最終盤へ。迎えた39分、秋田商が1チャンスをモノにする。
秋田商の1年生GK鎌田航希は好守を連発した
左サイドから押し込むと、瀬川が縦へのドリブルからマイナスのパス。これを左中間で受けた安藤が「パス出すか、シュート打つか迷ったんですけど、ちょっと決めれるかなって思って」縦へ持ち込んで左足を振り抜く。対角の一撃が逆サイドのネットを揺らし、1-0となった。少ない人数で相手の大応援に対抗していた控え部員の声にも応える一撃。勝負の3枚替えも見事に実を結び、リードを奪った。
後半39分、秋田商はDF瀬川哲平がマイナスのラストパス交代出場FW安藤愛知が決勝点を喜ぶ
すぐ反撃を開始した明桜に対し、秋田商はMF高橋玄太(2年)を投入して試合を締めに行く。明桜は相手に跳ね返されても攻め続け、朴の左足FKなどで1点を目指したが、秋田商が1-0で逃げ切った。
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