今年はどんな相手でも「粘り強くやれる」チーム。遠野が延長戦で盛岡中央を振り切り、2連覇と県3冠に王手:岩手
ゲキサカ / 2024年10月31日 23時36分
だが、遠野は相手の勢いに呑まれなかった。馬場は「失点すると気持ち的に僕もガクッと来ましたし。ただ、失点しても逆転する力っていうのは東北総体とか、色々なところでつけてきたんで、『焦んな』『絶対行けるから』って自分と照井が特に声を掛けていました」。また、今淵が「今年も東北総体で優勝して、特に仙台育英戦なんかは今日みたいに先制点を取られての逆転勝利だったので、そこは試合前も『失点しても切り替えてやろう』っていう風に話してたんで、それが上手くできたんで良かったです」と語ったように、名門校は逆境での強さを発揮した。
遠野は13分、細谷地をMF千葉陸(2年)と交代。盛岡中央も工藤心をDF高村大智(3年)と入れ替えた。すると15分、遠野は馬場のパスから左の小倉が鋭いステップのドリブルから左足シュート。これをゴール右隅に突き刺し、同点に追いついた。
後半15分、遠野はMF小倉悠慎がドリブルシュートを決めて同点3年生アタッカーのファインゴールだった
ここまで先発を外れていた小倉だが、「気持ちのところを買ってスタメンで使って期待に応えてくれた」(内田部長)という活躍。遠野はこの後、相手の裏抜けやミドルシュートでゴールに迫られたものの、182cmCB菊池晃のカバーリングや的確なポジショニングでのクリア、また谷地のハードワーク、加えて184cmGK田代が高さを発揮するなど2点目を許さない。
遠野は184cmGK田代謙真がゴール前で存在感を放つ
また、後半にボールの動きが出た遠野は、最前線の照井が収めて仕掛ける回数を増やす。盛岡中央がMF鈴木翔叶(3年)、DF高田龍輝(3年)、FW金子卓実(3年)を投入し、遠野がFW菊池希瑠(1年)を起用して迎えた後半終盤、遠野は馬場のスルーパスなどから勝ち越しのチャンス。だが、決め切ることができず、試合は延長戦へ突入した。
延長前半開始20秒、遠野が勝ち越し点を挙げる。野崎のパスから菊池希が右サイドを抜け出し、マイナスのラストパス。ニアでスルーした選手の後方へ走り込んだ今淵が右足ダイレクトでゴールを破った。
延長前半開始直後、遠野MF今淵雄太郎が勝ち越しゴールサイドからの崩しでリード
遠野の内田部長は「1年生の(菊池)希瑠が特長のある選手なので。(後半は)入って縦に仕掛けられないところがあったので、『自信持って縦、勝負しろ』と。ずっとクロスからシュートのところを意識して準決勝に向けてトレーニングしていて、その狙いが上手く出せたかなと。あとは選手たちが自信を持って積み上げてきたことを出してくれたかなって思います」と微笑んだ。
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