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「風を味方につけた」エンド選択…伝統校・富山東、終盤セットプレー弾で47年ぶり全国に王手!

ゲキサカ / 2024年11月5日 20時26分

DF中田航平(2年=水橋FC、左から2人目)が決勝ゴール

[11.4 選手権富山県予選準決勝 富山東高 1-0 富山北部高 高岡スポーツコアサッカー・ラグビー場]

 第103回全国高校サッカー選手権富山県予選は4日、高岡市の高岡スポーツコアサッカー・ラグビー場で準決勝を行い、富山東高が1977年度以来47年ぶりの全国出場に王手をかけた。今季の富山県1部リーグを制した富山北部高に対し、あえて前半に風下のエンドを選ぶと、狙いどおりに0-0でハーフタイムへ。最後は後半34分にセットプレーから奪った決勝点を守り切り、したたかな内容で決勝進出を決めた。

 ピッチを縦断するように強風が吹いていた富山県準決勝第2試合。富山東はキックオフ前のコイントスに勝利すると、あえてベンチサイドとは反対の風下エンドを選択し、県1部リーグの対戦で2戦2敗に終わっていた富山北部とのビッグマッチに挑んだ。

 対戦相手の富山北部は県1部リーグ14試合で失点わずか「6」という堅守が武器。そんな相手に対しては「自分たちがいかにゴールを目指す形を見出せるか、そして相手の猛攻をいかにゴールから遠ざけるかというゴールを意識したトレーニングをしてきた」(上田裕次監督)と勝負際にこだわり、選手たちは後半勝負のゲームプランを採用した。

 とはいえ40分間ハーフで延長戦のないトーナメントとあり、先制点の行方がとても大事だとされる高校選手権。先に点を取られると苦しくなるため、実は主将のMF松本翼(3年=芳野中)は風下のエンド選択について「自分はちょっと嫌だった」と明かす。

 それでも松本は最終ラインのDF川副湧誠(3年=富山新庄U-15)、DF福澤樹(2年=奥田中)ら先発メンバーと話し、風の影響を受けやすい選手たちの意見を尊重。「わざと風下にエンドを取って前半は耐え忍ぶ」というプランに舵を切り、目論見どおり拮抗した展開に持ち込むことに成功した。

 そんな富山東は攻撃でもFW遠藤優太(2年=富山U-15)にボールを集めつつ、地上戦で攻め込むシーンを数多く作ると、前半6分にビッグチャンス。遠藤のクロスに飛び込む松本のシュートはわずかに外れたが、最初の決定機を生んだ。また守備では相手のロングフィードが風に乗って大きく流れる形が続いたことにも助けられ、互いに決定機の少ないまま0-0でハーフタイムを迎えた。

 そして後半29分、富山東がデザインされたセットプレーで試合を動かした。敵陣右サイドでFKを獲得し、松本がクイック気味のリスタートでパスを右サイドに送ると、サインプレーで感じていたMF今井悠太(3年=スクエア富山)が右サイドを突破。鋭いクロスにDF中田航平(2年=水橋FC)がファーサイドから飛び込み、最後は身体ごと押すかのように強引にシュートを沈めた。

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