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「折れない雑草魂」で手繰り寄せた意地の県28連覇!青森山田は八戸学院野辺地西に先制を許すも鮮やかな逆転勝利で全国連覇の挑戦権を獲得!:青森

ゲキサカ / 2024年11月5日 7時19分


「自分たちはエリートでも何でもない雑草で、1年掛けて積み上げてきたものがあるので、目の前の一戦一戦に勝ち続けることで、その結果が全国制覇に繋がればいいかなと思います」とこの日の3点目を叩き出した大沢が話したように、前年度の高校年代二冠を受けてスタートした今年の青森山田は、決してここまで順調な道のりを歩んできたわけではない。

 プレミアリーグでも序盤戦には3連敗を記録。「頑張っていないわけではないけれど、やっぱりみんながハードワークできないと厳しいですね。去年もそこで勝っていたわけで、上手さや強さで勝っていたわけではないから」と正木監督も3連敗目を喫した試合後には渋い表情を浮かべるなど、チームは苦しい時間を過ごしていた。

 それでもインターハイでは全国ベスト8も経験し、夏の時期の厳しいトレーニングを積み重ねたことで、選手たちは自分たちの立ち位置をもう一度見つめ直しながら、守備面の強化に注力。「山田の三本柱の『球際』『切り替え』『ハードワーク』をやるということはいつでも変わらない」(小沼)というマインドをそれまで以上に浸透させていく。

 すると、後半戦に入ったリーグ戦でも優勝争いを繰り広げている横浜FCユースや鹿島アントラーズユースに完封勝ちを収めるなど、怒涛の4連勝を達成。19試合を終えた段階での18失点はリーグ最少の数字を誇っており、守備の固さをベースに少しずつ、少しずつ、小さな自信を積み重ねてきた。

 この日も押し込まれる流れの中でリードを許す展開を強いられたものの、前半終了間際に石川が意地の同点ゴール。「ハーフタイムに控室に戻ってからも、選手たちは凄くポジティブな、しかも具体的な声掛けが多かったので、『あとは落ち着かせれば大丈夫だな』というのも少しありましたね」と振り返るのは正木監督。数々の苦しい経験を潜り抜けてきたチームは、いつの間にか雑草のような確かな逞しさを纏っていたのだ。

 ここからは全国の数あるチームの中で彼らだけに許されている“目標”に向かって、再び日常を積み上げていく。キャプテンの小沼は力強く言い切った。「選手権で2連覇できるチームというのは山田しかいないですし、この本当にプレッシャーが掛かる中で試合ができるのは山田だけなので、そこはポジティブに捉えつつ、誇りに思って、もう1回全国の頂点を獲りたいなと思います」。

 『折れない雑草魂』を心に宿した、ディフェンディングチャンピオンの新たな挑戦。自分たちの弱さと向き合い、一歩ずつ前に進み、全国連覇をようやくその視界に捉え始めた2024年の青森山田には、きっとまだまだ成長する余地が十分に残されている。



(取材・文 土屋雅史)
●第103回全国高校サッカー選手権特集

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