国立初勝利で逆転優勝に望みつないだ町田・黒田監督、終盤5戦大ブレーキに「不安と重圧に押しつぶされる心境があった」
ゲキサカ / 2024年11月9日 17時59分
[11.9 J1第36節 町田 3-0 FC東京 国立]
敗れれば優勝の望みが絶たれるという国立決戦、直近5試合勝ちなし(2分3敗)だったFC町田ゼルビアが6試合ぶりの白星を収め、奇跡の逆転優勝への可能性をなんとかつないだ。
試合後、黒田剛監督は「ここまでの5試合、引き分けを挟めど、なかなか勝ち点3という結果をもたらすことができず、監督としてもかなりの不安を抱えていた。選手たちも正解というものがわかっていても、見失いながら足踏み状態が続いていた」と苦悩を吐露しつつ、この勝利の価値と向き合った。
町田はこの日、3-5-2の新システムでFC東京と対戦。逆三角形の中盤3枚で相手のビルドアップをマンツーマン気味に抑え込みつつ、攻撃ではFWオ・セフンとFWエリキの2トップを活かしたダイナミックな展開や、右はウイングバック起用のDF望月ヘンリー海輝、左はインサイドハーフ起用のMF相馬勇紀が流れるサイド攻撃を使い分け、一方的に主導権を握った。
「システム的には今までの4バックから3バックにチェンジしながら、しっかりと相手の特徴を消しながら、我々のストロングにしっかり持って行こうといいことで、多少メンバーをいじって彼らの特徴がしっかりと出るような配置とゲームプランを構築しながらゲームに入った」
そう振り返った黒田監督は「我々がやっていたことを触りざわりやるのではなく、しっかり振り切って、ミスを恐れず果敢にチャレンジすることが必要だということで、何度も映像を見せながら、彼らを奮起させながら今日この日を迎えることになった」とメンタリティーへの働きかけも行った様子。その結果、ここ数試合で鳴りをひそめていたセカンドボール回収でも圧倒的な勝率を誇り、町田らしい戦法で前後半に3ゴールを重ねた。
「ゲームを通じて本当に果敢にプレーしてくれる選手たちの姿が本当に目に焼き付いている。『これぞ町田の魂なんだ』というのを彼らが身をもって表現してくれたと思う」。そう選手たちを称えた黒田監督は試合後会見で「吹っ切れた」という言葉を何度も口にした。
「この5試合、連敗も一つあり、なかなか意図する結果をファン・サポーターに届けられることができなかった。この期間、不安と重圧に押しつぶされるような心境が、もちろん我々スタッフも選手もあった。これだけのお客さんの前で、しかも国立というところで、しっかりと無失点で、3-0と複数得点を挙げて、なかなか一つの得点を取れない時期が続いたので、そういう意味ですごく肩の荷が降りたというか、全てというわけではないけど、今までの苦労から解放された一瞬だった。これでもう一回吹っ切れてラスト2試合に臨めるぞというような、改めてこの一歩を歩めたことにすごく感動したし、ありがたい気持ちになった」
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