苦しい夏を乗り越えてきた「あの負け」から5か月の成長の証。前橋育英は共愛学園にインターハイ予選のリベンジ完遂で27回目の全国切符!:群馬
ゲキサカ / 2024年11月9日 21時2分
共愛学園に千載一遇の先制機が訪れたのは後半15分。左サイドで獲得したFKをMF村山優成(3年)がファーまで届けると、DF小山桜我(2年)は頭で中央へ。MF清水陽太(3年)がここも頭で残すと、「『あ、来た!』と思って、ちょっとコースを変えるフリックみたいな形で触りました」という天田のヘディングは、しかしクロスバーにヒット。スコアは動かない。
「『今日もそう簡単ではないな』というのは試合をやりながら感じていました」(石井)。命拾いした前橋育英は再び攻める。18分。高い位置でボールを拾った黒沢の鋭いシュートはわずかに枠の左へ。27分。竹ノ谷と平林がボールを回し、ポケットを取った柴野の際どいクロスは佐藤明珠が懸命のパンチングで回避。30分。石井の縦パスを懸命に収めた佐藤耕太の左足シュートは、佐藤明珠がキャッチ。0-0の緊迫した時間が続く。
「後ろは粘れるなというのもあったので、耐えるのはキツかったですけど、耐えて、耐えて、1本のチャンスをものにしようとみんなで話していました」(天田)。押し込まれる共愛学園はとにかく耐える。右はFW金子文飛(2年)と清水、左は小山とMF中野一楓(3年)が縦関係を組んだ両サイドバックと両サイドハーフも守備に奔走。ボランチも奮闘したMF木内慧(2年)からMFエルデン・バータル(2年)にスイッチして、中盤のフィルターを強化し、我慢しながら聞いた後半終了のホイッスル。勝敗の行方は前後半10分ずつの延長戦へと委ねられる。
「『勝負はそんなに簡単じゃないぞ』『後ろは絶対にゼロで守るから、前は絶対に点を獲ってくれ』と。『それぞれの意識を合わせて、1人1人ではなく全員で戦うことを意識しよう』と話しました」(石井)
タイガー軍団の絶叫は延長前半7分。柴野から高い位置を取っていた瀧口にボールが入ると、佐藤に当ててそのまま前へ。「『もう打っちゃおう!』みたいな感じで、あまり深くは考えずに思い切り打ちました」というシュートは右スミのゴールネットを豪快に揺らす。2年生右サイドバックが叩き出した先制弾。前橋育英が一歩前に出る。
王者、炸裂。10分。石井が左から蹴り入れたFKがこぼれると、体の強さを生かして収めた途中出場のFWオノノジュ慶吏(3年)が左足で打ち切ったシュートは、ゴール右スミへ吸い込まれる。延長後半6分。藤原のキックにこちらも途中出場のFW大岡航未(2年)が競り勝ち、佐藤を経由してオノノジュが優しいラストパス。大岡が左足で流し込んだボールは、ゴールネットへ到達する。
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