自分たちの力を把握することで見えてきた「2024年の色」。5発快勝の堀越は難敵・日大豊山に7か月前のリベンジ完遂で東京連覇まであと1勝!:東京B
ゲキサカ / 2024年11月12日 8時20分
今季の日大豊山は間違いなく強かった。春先の関東大会予選で決勝まで駆け上がり、初の関東大会出場。インターハイ予選でも準決勝で帝京高に惜敗し、全国にはあと一歩届かなかったものの、東京の高校サッカー界で大きな存在感を打ち出していく。
「もともと戦える子やサッカーに対してひたむきな子が3年生に多い代だったので、楽しみにしていた部分はあったんですけど、本当にこっちの想像を超えるぐらい成長してくれました」とは海老根監督。今大会でも東海大菅生高、成立学園高と全国出場経験校を相次いで撃破しての堂々のセミファイナル進出は、大いに誇っていい成果だ。
同校は決勝まで勝ち上がった4年前にも西が丘を経験しているが、当時はコロナ禍で応援制限もあり、この日のような雰囲気の中で戦うことは叶わなかった。「たくさんのお客さんが入って、いろいろなところからの声援があって、『これぞ高校サッカー』という雰囲気でできた西が丘の経験はチームとして初めてでしたし、ここに連れてきてくれた3年生には本当に感謝しています。ここに来るまでにもいろいろな先輩やOBが築いてくれた伝統があって、それをさらにもうワンランク、ツーランク上に引き上げてくれた代だったんじゃないかなと思います」(海老根監督)。日大豊山の勇敢な1年間に拍手を送りたい。
今シーズンの堀越は昨年度の『全国4強』を受けてスタートしている。関東大会予選は準決勝で日大豊山に屈し、インターハイ予選も二次トーナメントの2回戦で敗退。結果という意味で望んだものは得られなかったが、チームは少しずつ、少しずつ、『2024年の色』を纏い始めていく。
「春先から比べたら成長していると思います。春先は去年のあの感じをみんな知っていますし、まだインパクトも残っていて、プレッシャーとの戦いだったんですけど、今はだいぶ薄れてきているので、『もうオマエたちは気にする必要はまったくないし、やれることをしっかりやろう』ということでここまで来ました」(佐藤監督)
今大会も2回戦の日大三高戦は後半終了間際に勝ち越しゴールを奪われ、ほとんど敗色濃厚の状態からラストプレーで追い付くと、延長戦を執念で制してみせる。「監督は『あの3分間を忘れるな』とずっと言ってくれていて、もうあの試合で1回選手権は終わったものだと思っているので、何も失うものはないですし。割り切って今日の試合に臨めたかなと思います」とは三鴨。いくつものシビアな状況を経験してきたことで、彼らは自分たちの力を過不足なく把握し、勝つために必要なことを自分たちで選び取り、遂行してきた。
ようやく見えてきた東京の頂。この日、約5か月ぶりに公式戦へ帰ってきた不動のキャプテン、竹内の決意が力強く響く。「もう去年の準決勝に負けた時に、『絶対国立に戻ってくる』という気持ちでこの1年間はずっとやってきましたし、それを日々のミーティングでも会話に入れてやってきたので、その集大成という意味でも、全国にもう1回戻れるように、全員で一致団結してやっていきたいと思います」。
みんなで積み上げてきた経験値は、すべて今を戦うための糧になる。その先が国立競技場へと続いていると信じ、再び進み始めた“千里の道”もいよいよラストスパート。全国の舞台へと返り咲くため、2024年の堀越に必要な勝利は、あと1つ。
復帰戦を勝利で飾ったキャプテンの竹内利樹人はともにチームを支える盟友・森章博と歓喜の抱擁
(取材・文 土屋雅史)
●第103回全国高校サッカー選手権特集
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