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[MOM4935]帝京MF砂押大翔(3年)_優勝旗を抱えながらこみあげてきた涙。「帝京のキャプテン」にのしかかるプレッシャーの先でこじ開けた全国の扉

ゲキサカ / 2024年11月17日 8時4分



 ここまで必死にグループをまとめようと試行錯誤してきた中で、少しずつ、少しずつ、チームに対してはっきりとした自信を纏ってきたという。「去年や一昨年までの自分はなかなかチームに対して良さを出し切れなかったんですけど、今年は自分がキャプテンという立場になって、練習でも一番声を出すことを意識するとか、そういう小さなところから変えていこうかなという想いがあって、そういうところをみんなにも徐々に影響させて、今はどんどんチームが良くなってきているのかなと思います」。

 いろいろなプレッシャーが掛かってくる決勝でも、チームの雰囲気が勝利という目的に向かって研ぎ澄まされていく感覚を、キャプテンは掴んでいた。「自分たちの良さが出せているのは、全員が楽しんで声を掛け合えている時だと思っているので、その良い時に近付けるために、まずは声でチームに影響を与えることを意識して、全員で試合に臨めたことが良かったと思います」。ピッチの中にはポジティブな声が飛び交っていく。

 最終盤の後半39分。土壇場も土壇場で帝京はPKを獲得する。キッカーは中学時代から同じチームで、6年間の時間をともに過ごしてきたFW土屋裕豊(3年)。左を狙ったキックがゴールネットへ飛び込むのを見届け、砂押はみんなと一緒に応援団が叫ぶスタンドの方向へと走り出す。

 もうミスは絶対にしない。最大限の集中力で相手の攻撃を1つずつ跳ね返し続けると、タイムアップのホイッスルが耳に届く。「大翔を見たらメッチャ泣いていたので、本当に勝てて良かったです」と笑ったのは失点時に励ましの声を掛けたDF田所莉旺(3年)。帝京は15年ぶりとなる全国切符を逞しく勝ち獲った。



 砂押は鹿島アントラーズノルテジュニアユースの出身。ユースへの昇格も可能性はあったが、「日比さん(日比威前監督/現・順天堂大監督)から声を掛けていただいて、練習参加した際に『ここなら自分の良さを生かせるし、自分が楽しく夢に向かって走れるな』という想いが湧いてきたので、即決で決めました」と帝京の門を叩いた。

 今季からチームを率いる藤倉寛監督にも小さくない信頼を寄せている。「練習中も試合中も自分たち主体でやらせてくれる監督ですね。4月ぐらいは自分たちにまだ気づけていない部分があったんですけど、夏を過ぎてから藤倉先生の気持ちもだんだん自分たちに伝わってきて、練習中も自分たちで声を出して士気を高められている部分もありますし、試合でも外から言われて修正するのではなく、中で修正するのが一番だとは言われてきているので、凄くやりやすいです」。その中で任されている部分を意気に感じ、キャプテンとしてやるべきことと懸命に向き合ってきた。

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