[MOM4941]正智深谷DF佐藤飛友(3年)_小学生のころに両親と訪れた代表戦で誓った「約束の埼スタ」のピッチで全国出場を手繰り寄せる決勝点!
ゲキサカ / 2024年11月19日 8時30分
踵を返して走り出した先は、赤と緑に染まったスタンド。「メンバーに入りたくても入れない人たちもいるのに、そこで腐らないで自分たちの応援をしてくれたので、行こうかなと思っていました。もう嬉しい気持ちしかなかったです」(佐藤)。3年間の公式戦で2点目となるゴールをこの大一番に持ってくる勝負強さ。正智深谷が先制点を奪う。
ビハインドを負った浦和学院も丁寧なビルドアップをベースに、同点を狙って少しずつギアを上げてくる中で、佐藤とDF岸田永遠(3年)のセンターバックコンビを軸にした正智深谷のディフェンス陣は、プレスに行くところと構えるところを見極めながら、ゴール前に堅陣を敷き続ける。
佐藤の中にはこの大会を通じて培ってきた、確かな守備への自信があった。「準決勝をゼロで抑えた時に、『この大会は点を獲られる気がしないな』と思っていましたし、みんな気持ちも入っていたので、『1点入ったら守り切れる!』と思っていました」。際どいピンチではGK森穂貴(3年)もファインセーブを披露。時間を追うごとに集中力も研ぎ澄まされていく。
3分が掲示されたアディショナルタイムも経過し、タイムアップの瞬間がやってくる。ファイナルスコアは1-0。佐藤の目にもいろいろな感情の混じった涙がこみ上げてくる。「本当にメチャメチャ良い景色でした」。みんなでカップを掲げ、みんなで勝利の歌を歌い、みんなでダンスを踊る。ひそかにヒーローの座を狙っていたセンターバックの決勝点が、チームメイトに最高の笑顔と最高の歓喜をもたらした。
決勝のステージとなった埼玉スタジアム2002には、両親との忘れられない思い出があるという。「小学生の時に日本代表のワールドカップ予選の試合を見に来て、両親と『ここに立ちたいね』と話していたんですけど、今日も両親が試合を見に来ている中で、ここに立っているだけではなくて、勝っている姿を見せたかったので、それがさらに得点という形になって良かったです」。
あの日はただただ憧れの目で見つめていた、日本サッカーのさまざまな歴史の詰まったピッチを踏みしめるだけではなく、ゴールまで挙げてみせた佐藤の活躍が最高の親孝行となったことは、あえて言うまでもないだろう。
3年目でようやくたどり着いた選手権の全国大会。この赤と緑のユニフォームを纏って、行けるところまで駆け上がってやる。「自分は正智が全国ベスト8に行った代も生で会場で見ていたので、このユニフォームを着て、この大会に出たいなと思って正智に入りましたし、コルージャから正智に行った先輩の人たちが活躍しているのも見てきた中で、自分も試合に出ている以上は活躍したいなと思っていたので、結果を出せて良かったです」。
「全国では自分の持ち味のヘディングやロングフィードや球際で戦うところを見せたいですし、チームとしては、みんなで攻撃して、みんなで守るところを見せて、日本一になりたいです」。
伝統の『一致団結』を貫く正智深谷のディフェンスリーダー。佐藤飛友は全国の舞台で公式戦の“3点目”を叩き出し、再びヒーローの座をさらう準備を、着々と整えていくに違いない。
(取材・文 土屋雅史)
●第103回全国高校サッカー選手権特集
-
- 1
- 2
外部リンク
- 掲げ続ける伝統の「一致団結」が引き寄せた8年ぶりの全国切符!正智深谷は浦和学院にウノゼロで競り勝って堂々の埼玉制覇!
- 窮地のチームを蘇らせたのは「地獄のような3分間」を潜り抜けてきた勝負強さ!昨年度全国4強の堀越は実践学園との激闘を再逆転で制して東京連覇!:東京B
- [MOM4939]堀越FW三鴨奏太(2年)_果たしたのは「堀越の10番」の仕事!2年生アタッカーが全得点に絡む躍動で東京制覇の主役に!
- 鹿児島城西の“終わりなき旅”は続く!宿敵・神村学園の連覇を7で止め、涙の8年ぶりV!:鹿児島
- [MOM4940]鹿児島城西GK藤吉純誠(3年)_夏決勝のミスに「サッカー辞めようかなと…」。周囲の支えで 奮起の主将がスーパーセーブで神村撃破へ導く
この記事に関連するニュース
-
掲げ続ける伝統の「一致団結」が引き寄せた8年ぶりの全国切符!正智深谷は浦和学院にウノゼロで競り勝って堂々の埼玉制覇!
ゲキサカ / 2024年11月19日 8時0分
-
[選手権]“最後の切符”を手にしたのは正智深谷!! 浦和学院下して8年ぶりV!!:埼玉
ゲキサカ / 2024年11月17日 15時41分
-
[選手権]決勝カードは正智深谷vs浦和学院!! 昌平下した聖望学園はベスト4敗退:埼玉
ゲキサカ / 2024年11月10日 16時6分
-
[選手権]昌平に続いて武南も準々決勝敗退…ベスト4が出そろう:埼玉
ゲキサカ / 2024年11月3日 17時48分
-
[選手権]聖望学園が総体王者・昌平から金星!! 準決勝で正智深谷と対戦へ…準々決勝残り2試合は翌3日開催:埼玉
ゲキサカ / 2024年11月2日 18時8分
ランキング
-
1久保建英が禁断の移籍? スペイン強豪が関心と海外報道「98億円の支払いを検討している」
FOOTBALL ZONE / 2024年11月19日 7時30分
-
2大谷翔平を取り逃した“悪夢再来”か… 2年連続超大物狙い、地元紙が懐疑的なワケ
Full-Count / 2024年11月19日 9時1分
-
3【侍ジャパン】森下翔太が猛打賞でヒーローインタビュー「日本のプライドを持って」「必ず世界一に」
スポーツ報知 / 2024年11月18日 23時3分
-
4《NHK大相撲中継の専属解説者》「前・尾車親方」起用で熱を帯びる“角界の権力争い”二所ノ関一門の存在感は増し、元横綱・白鵬はさらなる苦境に
NEWSポストセブン / 2024年11月19日 7時15分
-
5米殿堂候補にイチローさん 日本人初が確実、1月発表
共同通信 / 2024年11月19日 8時20分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください