レーザー攻撃、乱入者にも動じなかったGK鈴木彩艶「なんかやってるなと」
ゲキサカ / 2024年11月20日 0時53分
[11.19 W杯最終予選 日本 3-1 中国 厦門]
レーザー攻撃にも、乱入者の妨害にも惑わされることはなかった。日本代表GK鈴木彩艶(パルマ)は後半25分、相手の決定的なシュートを右手一本で阻むなど、最小失点での勝利に貢献。苦しい戦いが続いたアジア杯から1年足らず、いまや「落ち着いてやることが常に大事」という言葉どおりの振る舞いを続け、激動の2024年の代表戦を締めくくった。
日本国歌への大ブーイングで幕を開けた敵地・中国戦。前半は鈴木がアウェーの洗礼に晒される形となった。開始早々、鈴木がビルドアップでボールを持つとレーザーポインターによる緑色の光が顔面に直撃。「前半は眩しかった。ピカッときましたね」。しかし、その中でも「やるべきことに集中していた」と自身のペースが揺らぐことはなかった。
前半34分、中国サポーターの乱入で試合が中断した場面でも同様だった。若い乱入者は鈴木の前で立ち止まり、煽るようなジェスチャーを見せたが、「なんかやってるなというくらい」と笑みを浮かべた鈴木。「変に気を取られてやられるのが思うツボなので。自分が別に何かをするわけではないし、対処すべき人に任せてやるべきことに集中するだけ」と冷静にプレーを続けた。
2-0で迎えた後半開始早々の3分には味方の対人ミスが続き、今大会初めて相手選手にゴールを決められる形となったが、チームは同9分に再びリードを広げ、流れを渡さなかった。同25分にはMFウェイ・シーハオに味方選手によるブラインドから鋭いシュートを放たれたが、鈴木がイレギュラーしたボールを右手一本で阻止。反撃を許さなかった。
「ブラインドプラス股下で、味方にぶつかったあとで、ピッチもよくなかったのでバウンドがちょっとイレギュラーだったけど、手前に弾いた時に残さないように、外に割り切って外に弾けた。いかに最小失点で追えられるかにこだわっていたのでよかった」(鈴木)。アウェーの空気感でも判断力を維持したスーパーセーブで、3-1での勝利に導いた。
鈴木にとって2024年は激動の1年間だった。1〜2月のアジア杯ではグループリーグで不安定な失点が続き、流れに乗れなかった日本もベスト8で敗退。夏にはイタリア・セリエAのパルマに移籍を果たし、世界で最もGKに厳しい視線の集まるとされるリーグで日々を過ごし、時には批判も浴びてきた。
それでもセリエAで揉まれた経験はたくましさにつながり、日本代表活動に合流するたび、ますます安定感を増し続けてきた。「アジア杯でチームの勝ちにつながるプレーができず、悔しさが残ったけど、そのあと自分としてもチームを変えることであったり、ゲームを通じて少しずつ成長できている実感がある」。
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