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試合前日から醸成されていた「アントラーズらしい」一体感。前橋育英と激闘を繰り広げた鹿島ユースはプレミアEAST戴冠に一歩近づく劇的勝利!

ゲキサカ / 2024年11月26日 8時3分


 前橋育英戦の前日のこと。鹿島ユースの大半の選手たちは、IFA(茨城県)リーグ1部の試合会場に顔を揃えていた。リーグの優勝争いを演じているBチームの選手たちを応援するため、翌日にプレミアの試合を控えているAチームの選手たちも朝7時半に集合して、バス移動でアウェイのグラウンドへと詰めかけたのだ。

「やっぱり『プレミアに出ているから自分たちが上だ』というような考えではなくて、チーム全体としてプレミアもIFAも戦ってきたことを強調したいですし、みんなで進んでいくというマインドでやっていきたいですからね」とは柳沢監督。1年生の大貫も「普段から自分たちも応援されている立場でもありますし、自分は結構応援するのも好きなので、楽しく応援していますね。それがチームということだと思います」と言及している。
 
 IFAリーグの試合後は再びいつものグラウンドへと帰ってきて、Aチームは夕方の4時過ぎから練習開始。Bチームは90分間を戦ったばかりの選手を含めて、その練習のサポートをこなしていたという。

 その流れはこの日も同じだった。プレミアの大一番を応援していたBチームの選手たちは、試合後に自分たちのトレーニングへ取り組む。Aチームの選手たちは会場の撤収作業を終えた者から練習場へとやってきて、サポートに回る。3年生の小笠原と1年生の福岡が笑顔を浮かべつつ、2人で同じテントを片付けている姿も微笑ましい。

「そういう部分も含めてチームだということはヤナさん(柳沢監督)から強調して言われているので、自分もそういうことを意識していますね」とは佐藤海宏。Bチームのトレーニングが終わると、先ほどの試合で先制点を決めた中川がボールを集め、決勝点を挙げた吉田がそのボールが入ったネットを担いでいく。そんなちょっとした一コマに、このチームが1年間を掛けて築き上げてきた一体感が垣間見えた。

 勝点で並んでいた横浜FCユースが今節のゲームで敗れたため、次節でプレミアリーグEAST制覇が決まる可能性も出てきた中で、大貫は改めてタイトル獲得へのモチベーションをこう語る。

「自分が一番恩返ししたいと思っているのは3年生で、1,2年生が多く試合に出ている中でも、3年生が凄くサポートしてくれているからこそ、自分たちもこうやって思い切りやれているので、3年生には絶対に優勝して鹿島のユースから巣立ってほしいですし、残りマックスで3試合を全部勝てるように、3年生のために全力で戦います」。

 キャプテンの佐藤海宏が口にした言葉も印象深い。「3年生にとっては残り2試合になるか、3試合になるかというところで、最後に優勝にプラスしてファイナルで勝つところまで持っていきたいと思いますし、その中で3年生が後輩たちに何を残せるかが大事になってくると思うので、普段の練習でも、練習以外の姿勢のところでも、何か後輩たちの心に残るものがあればいいなと思います」。

 勝利への飽くなき執念。諦めない気持ちが呼び込む勝負強さ。それを後押しする会場の雰囲気。そして、みんながみんなを思いやる一体感。すべてを結集して掴んだこの日の1勝の意味は小さくない。いよいよ戴冠目前。2024年の鹿島ユースは、間違いなく強い。



(取材・文 土屋雅史)
●高円宮杯プレミアリーグ2024特集●第103回全国高校サッカー選手権特集

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