手繰り寄せた最高の歓喜と笑顔。戦列復帰した大津MF中村健之介が自分の中心に据えるチームメイト、恩師、トレーナー、旧友への感謝
ゲキサカ / 2024年12月16日 12時12分
[12.15 プレミアリーグファイナル 横浜FCユース 0-3 大津高 埼玉]
このファイナルの舞台に立つために、多くの人が自分を支えてくれた。ピッチに足を踏み入れると、バックスタンドから大声援を送ってくれる仲間たちの姿が、視界に飛び込んでくる。奮い立つ。絶対に勝つ。みんなのために。絶対に勝って、最高の景色を掴み取ってやる。
「スタンドで応援してくれる仲間だったり、自分がケガをした時に支えてくれたフクさん(福邑健仁トレーナー)、自分を信じて出してくれたトモさん(山城朋大監督)や平岡先生(平岡和徳テクニカルアドバイザー)、熊本で見ている方もたくさんいると思うので、感謝の気持ちを持って試合に臨みました。マジで嬉しいです!」
一番大事なシーズンの最終盤に戦列復帰してきた、大津高(熊本)の攻撃にアクセントをもたらすサイドアタッカー。MF中村健之介(3年=サンフレッチェ広島F.Cジュニアユース出身)は周囲への感謝を胸に、日本一の懸かったフィールドを全力で駆け抜けた。
WEST王者として挑んだプレミアリーグファイナル。EAST王者の横浜FCユースと対峙する一戦に、中村は左サイドハーフの位置でスタメン起用され、キックオフの笛を聞く。
どちらも慎重に立ち上がる中、大津もなかなか攻撃のギアを上げ切るまでには至らない。「自分は攻撃のテンポを上げる役割を求められている中で、ボールを受ける回数が前半は少なかったですし、ボールを受けた時も自分のところで結構流れがストップしてしまったので、もっと良い形でボールを受けられたら良かったなと思います」。多少の緊張もあって、中村も思い描いていたようなプレーは繰り出せない。
初戦敗退という悔しい結果を突き付けられたインターハイが終わってからは、内転筋の痛みに悩まされてきた。「あまり言い訳にはしたくないですけど、自分自身も練習に100パーセントで取り組みたかった中で、実際にはちょっとだけ抑えてプレーしないといけないという状況でした」。
リーグ前半戦は全11試合にスタメン出場を続けたものの、後半戦に入ると大半の試合がベンチスタート。現状の自身のパフォーマンスを考えれば、その立ち位置にも理解はしながら、もどかしい日々を過ごす。選手権予選の準決勝が終わると、より痛みが増したことで決勝も欠場。しばらくの戦線離脱を余儀なくされる。
だが、福邑健仁トレーナーの献身的なサポートもあって、少しずつ、少しずつコンディションを上げていくと、プレミア最終節の米子北高戦でスタメンに復帰し、後半16分までプレー。周囲の協力を仰ぎながら何とか大一番への準備を整え、この日のピッチに立っていた。
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